東洋医学で考える咳、4つのパターンと自分でできる対策

鍼灸適応症状

こんにちは、Fijiです🐎。

春ちゃん
春ちゃん

咳が止まらな~い。

助けて~。

Fiji
Fiji

急に暑くなったから、エアコンで風邪ひいたかな?

今の時代、咳・くしゃみをすると「コロナかも?」という視線が気になる方も多いですね。

この記事は

  • 咳で困っている。
  • 薬に頼らず、根本治療したい。
  • 東洋医学や鍼灸に興味がある。
  • どんな考え方で治療するの?
  • 自分でできる対策はあるのかな?

とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。

Fiji
Fiji

Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。

日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。

私がどんなふうに咳を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。

そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。

咳とは

咳とは気道内の分泌物やウィルスなどの異物、煙、空気を排出するための体の生体防御反応です。

また、痰を排出する役割もあります。

ですから咳が出る=病気、ではありません

でも風邪をひいてないのに咳が出る、会議中や授業中、電車の車内など、出てほしくないタイミングで咳きこんで、止めようとすればするほどうまくいかない、という状態はつらいですね。

急性咳嗽:発症から3週間ほど、まず風邪などの感染症を疑います。
遷延性咳嗽:3週間から8週間ほど。長引くね~、という感じ。
慢性咳嗽:それ以上になると風邪以外の原因を疑います。

今回は風邪以外の咳の東洋医学的原因をお伝えします。

まず、春ちゃんの咳。

咳が出る=風邪というのが一般的な認識。

でも風邪ではなかったのです。

気逆咳(きぎゃくぜき)でした。

隆くん<br>
隆くん

気逆咳って???

Fiji
Fiji

説明するね!

気という考え方と気逆のパターン

まず復習ですが、東洋医学ではすべてのものの根本は気だと考えます。

全身を血が

上から下へ、

下から上へ、

さ~っと流れていると健康です。

血が流れる前には必ず気が血を先導しています。

ところが次のような条件で気血が上りっぱなしになることがあります。

  1. お体の中が熱に傾きすぎる場合。つまり、熱い体、上半身に気が停滞しがち。熱に傾きやすい食べ物をよく食べる方に多いです。⇒⇒⇒エアコンの暖気がお部屋の天井近くに溜まる感じです。
  2. 精神的ストレスや頭を使いすぎて生命エネルギーが頭のほうに偏りすぎる場合⇒⇒⇒イライラしますね、気や血が頭に上っている感じ。
  3. 下半身に弱りがあって本来下半身にあってほしい生命エネルギーが下にとどまっていられない場合⇒⇒⇒ヘリウム風船のように熱がふわふわ上半身に浮き上がる感じかな。

こんな状態を気逆と言います。

気逆が関係する症状には頭痛、花粉症、眩暈、便秘、不眠、肥満などもありますから以下の記事もご参考くださいね。

東洋医学で考える頭痛、4つのパターンと自分でできる事前対策
春に増える頭痛やめまい、辛いですね。 東洋医学で頭痛をどのように考えるか、服薬しても効果がない、という方でも発症前にほんの少し気を付けて楽に過ごせるといいな、という思いを込めて記事にしました。
東洋医学で考える花粉症、3つの症状別事前対策
もうすぐ待望の春!なのに花粉症が気になる方へ、東洋医学で考える花粉症と事前にご自分でできる対策を患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。
東洋医学で考える眩暈(めまい)、4つのパターンと対策
春に増える眩暈。この症状もふわふわ🤣、ぐるぐる😢、辛いですね。 なぜ眩暈が起こるの? 発症前に何か自分でできることはないの? 発症したらどうしたらいいの? という方のお役に立てれば、という思いを込めて記事にしました。
東洋医学で考える便秘、4つのパターン、対処法とお薦め食材
春に増える不調(花粉症、頭痛、眩暈、痒み)について東洋医学的な考え方やご自宅でできる対処法をご紹介してきましたが、今回は便秘についてです。便秘に悩む方は一年中かなり多いのですが、気逆(きぎゃく)という考え方つながりで書いていきますね。お役に立てますように。
東洋医学で考える不眠、5つのパターンと自分でできる対策
日本人の5人に1人が睡眠に何らかの問題を抱えているとのこと。誰でも遠足や試験前にワクワク、ドキドキして眠れないときはありますが、それとは違って長期間眠れず、日中の活動にも支障が出てきてお困りの方に東洋医学的な不眠のお話をさせてくださいね。
東洋医学で考える肥満、2つのパターンと自分でできる対策
東洋医学では身長○○センチで体重○○キロだから肥満という考え方ではなく、あくまでもその身長に対してその体重だと陰陽バランスが崩れて、健康上の問題を引き起こしているときに肥満の治療対象だと考え、五臓六腑がしっかり働けるようにさせていただくと、自然とその方にとって適切な体重になると考えます。

気逆を起こして上半身に上ってしまった気は行き場を失ってコンコン、乾いた咳として出ることがあるのです。

これが気逆咳。肺の治療をしてもよくなりません

喧々諤々の会議中に咳が止まらない、授業中に集中しすぎて頭に気血が上って咳が出るなんて方、いませんか?

よくある随伴症状:

精神的ストレス、プレッシャーと咳が連動する。

イライラ怒りっぽい。

咳きこむと顔面紅潮。

目の充血。

喉に何か詰まっているような気がする。

痰が出ても咳が止まらない。

ご自分でできる対策:

普段から気の巡りがよくなるようにちょっぴり運動してみませんか?

香りのよい柑橘系果物を積極的に食べたり、セロリ・ミント・パクチーなどもお薦めです。

ジャスミンティー、ミントティー、カモミールティー、ローズティーなども緊張を緩めてくれてほっこりできますね。

肺に熱が多すぎるパターン

きつい煙草のヘビースモーカーや香辛料の効いたお料理が好きな方に多いです。

たばこや香辛料の多くは辛みで、肺に熱をこもらせてしまいます。

他に思い悩んだり、心配しすぎて心(しん)に熱をこもらせることもあります。

心(しん)の臓の近くにある肺に熱が波及することがあります。

長期化すると肺にこもった熱が肺を乾燥させてしまうこともあります。

よくある随伴症状:

眉間(左右眉毛の間)が赤い

呼気が熱い感じがする。

黄色い痰や血の混じった痰が出る

ダイエットしていないのに痩せる

かすれ声。

ご自分でできる対策:

はちみつには潤肺(じゅんぱい)という作用があります。

文字通り肺の乾燥を潤してくれるのです。

あまりに咳がひどい大人の方はコーヒーに少し加えてみるのもいいですね。

一説によるとコーヒーのカフェインに気管支拡張作用があるようです。

 ただし、一歳未満のお子さんには咳が出るからと言ってもはちみつは避けましょうね。
 ボツリヌス菌症状が出る可能性があるからです。

乾燥する季節にはお部屋の湿度調整をしてみましょう。

肺は乾燥が苦手です。

東洋医学では五臓それぞれに関連の深い色があると考えます。

肺は白

ですから白キクラゲ、山芋やレンコンはいかがですか?

今は旬ではありませんが秋なら梨がピッタリです。

ゆりねは肺を潤して咳を止める働き、精神疲労を緩和してくれますよ。

体の中に湿気が多すぎて痰になっているパターン

日ごろから暴飲暴食傾向だったり、運動不足でお体の中に湿気が停滞してしまっていると痰になる、と東洋医学では考えます。

よくある随伴症状:

痰の絡んだゴホゴホといった咳が出る

痰が出ると咳が治まる

顔の浮腫み

胸やおなかが脹って苦しい。

舌の上に生えている苔が分厚い。

ご自分でできる対策:

日ごろから味の濃いもの、脂っこいもの、暴飲暴食は控え目でね。

痰が無色透明から白、黄色、粘り気を増してきたらなおご注意!

お体の湿気だけでなく、停滞することで湿気が熱化しているサインです。

汗をかくような運動をしてみませんか?

四肢を動かすと気血がよく巡ります

お体の弱りのパターン

過労や加齢、夜間の咳が睡眠不足を誘発したり、咳が長期化して体力を消耗し続けているとどんどんお体が弱ってきて、さらに咳がひどくなります。

よくある随伴症状:

疲れやすい。

疲れると咳がひどくなる

朝より夜のほうが咳がよく出る

咳がきついと尿漏れすることもある。

浮腫み。

腰痛、膝痛。

長期化するとさらにエネルギー不足が加速して寒がる。

ご自分でできる対策:

これ以上疲労しないように、早めにベッドに入りましょう。

咳が続くと軽いジョギング程度の体力を奪われますから、いつもと違うと感じたり、つらいときは呼吸器内科の受診も検討してくださいね。

上記以外にも咳が出るメカニズムは色々あります。

症状がなかなか取れない場合、咳喘息や結核の可能性もあります。

煙草を吸う方の15~20%にCOPD(慢性閉そく性肺疾患)の発症リスクがあり、咳はその一つの症状です。

また、一部の降圧剤の副作用で咳が出る場合もあります。

いかがでしたか?

東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。

お体も頑張りすぎると回復に時間がかかりますから無理なさらないようにね。

このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。

最後までお読みくださりどうもありがとうございました!

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参考:

東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)

燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻

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