こんにちは、Fijiです🐎。
先週からの大雨、よく降りますね。
皆さんのお住いの地域は大丈夫ですか?
近年、ひとたび雨が降れば警報レベルを超えて災害を引き起こすほど。
我が家では常に避難袋を確認しています。
前回に引き続き月経不順、今回は無月経についてです。
この記事は
- 無月経で困っている。
- 薬に頼らず、根本治療したい。
- 東洋医学や鍼灸に興味がある。
- どんな考え方で治療するの?
- 自分でできる対策はあるのかな?
とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。
Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。
日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。
前記事の繰り返しになりますが、月経は女性にとって生理現象であり、病気ではありません。
ですが長引く無月経となると病理現象の可能性もあります。
私がどんなふうに無月経を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。
そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。
経閉(けいへい)
初潮のあと反復する月経があったにもかかわらず、妊娠以外で3か月以上月経の来ない続発性無月経を東洋医学では経閉と呼びます。
ここでは18歳になって初潮がない原発性無月経、先天的婦人科系臓器の欠損のような器質的無月経、妊娠・出産・授乳期の生理的月経停止、50歳前後で卵巣における卵胞の消失による(WHO)永久的閉経は除外します。
日頃から知っておきたいポイント
日ごろからご自分の月経時に以下のようなポイントを意識しているとおくと、何が原因で経閉に至っているのか、見えてくることがあります。
- 無月経になる前は周期的に来潮していたのか、
- 無月経になる前は何日周期だったか、
- 無月経は突然発症したのか、
- 無月経になる前の月経の経血色は濃いのか薄いのか、
- 経血量は多いのか、少ないのか、
- 具体的には夜用・昼用ナプキンを何回交換する必要があるのか、
- 経血の臭いはあるのかないのか、
- 経血の粘りはあるのかサラサラなのか、
- 血塊の有無やその大きさ、排出頻度は、
- 血塊を排出すると楽になるのか、
- 生理痛の有無や痛む部位、
- 痛みの種類や程度、
- 精神的ストレスの有無や痛みとの関連性、
- 何をすると痛みが増悪するのか、寛解するのか、
- 冷えるとどうなるのか、温めるとどうなるのか、
- 鎮痛剤服薬の必要性と服薬頻度、
- 月経前に胸の脹りやイライラするのか、落ち込んでしまうのか、
- 月経前、中盤以降にその症状は無くなるのか、悪化するのか、
- 月経中盤以降、不安感は出現するのか、
- 月経後に体が楽になるのか、一層疲労するのか、
- 月経前・中・後で便の様子に変化があるのかないのか。
大丈夫!
全部覚えなくても大丈夫!
だけど、こんなにたくさんの質問に何か意味があるの?
そうなの。
例えばね、お体が熱傾向だと経血は色が濃くなるの。
量が多くて、ドロドロして、結果、血塊ができてくるの。
お体が冷えていると、経血の色は暗くなりがち。
塊が増える傾向だし、生理痛は刺しこむような痛みになりがち。
貧血気味なら経血量も減るし、色も淡いかも。
1~2日で終わってしまう人もいるの。
ストレスで気のめぐりが停滞していると
月経で要らない経血を出すと体が楽になるの。
そうなんだ~。
他に血の流れに関係が深いのは以下のような部位があります。
- 髪の毛(抜けやすい、パサつく、切れるなど)、
- 爪の厚みや割れやすさや色つや、
- 爪の縦筋・横筋の有無、
- 光の眩しさ、
- 顔の色つや、
などにも日ごろから着目しておくといいですね。
了解!
原因は以下のようにさまざまありますが、弱ってもストレスでも食べ過ぎでも経閉は起こります。
腎の臓が疲れているパターン
東洋医学では生命エネルギーは腎の臓に蓄えられていると考えます。
先天的にエネルギー不足で初潮が遅かったり、過労・加齢・慢性病・産後などでエネルギー不足だと経閉することがあります。
また、厳しい部活動など過度に運動を行うことでも発症することがあります。
よくある随伴症状:
初潮年齢が遅い。
元々経血量が少ない。
腰痛・膝痛がある。
耳鳴り。
頭のふらつき。
寒がる。
お体が疲労困憊して気も血も足りないパターン
腎の臓の疲労が長期化すると良い血を作る力も落ちてきます。
また、極端なダイエットの影響で栄養不良で気も血も不足すると経閉に至ることもあります。
よくある随伴症状:
動悸。
頻繁に夢をみたり、眠りが浅い。
顔や手足の浮腫み。
頭のふらつき。
疲れやすい。
精神的ストレスが強く、気血の巡りが悪いパターン
仕事や家事・育児・介護などで精神的ストレスが強いと気の停滞が起こり、長期化すると血の巡りも悪化してドロドロしてきます。
よくある随伴症状:
経閉前の月経時には血塊が混じっていた。
日ごろから肩凝り、頭痛、腰痛がある。
胸の脹り。
脇の痛み。
イライラする。
怒りっぽい。
舌の上に血豆のような点が出る。
お体に余分な湿気と痰が停滞しているパターン
飽食の時代、日本のみならず世界各地のとびっきりおいしいものが簡単に手に入りますね。
日ごろから味の濃いもの、脂っこいもの、飲み過ぎ、かつ運動不足だとお体に余分な湿気と痰が停滞します。
よくある随伴症状:
肥満。
おりものが多い。
痰が多い。
胸が苦しい。
むかむかする。
食欲不振。
動悸・息切れ。
倦怠感。
経閉が続くと乳汁分泌を伴うことがある。
いつもの私のブログ記事には各パターンに合わせてご自分でできる対策を含めてきました。
疲労が原因ならゆっくり休みましょう。
血が不足しているなら補血(ほけつ)の力がある食べ物をお薦めします。
ストレスが原因なら発散するよう運動をお勧めします。
食べ過ぎが原因なら控え目にね。
どんな症状でも健康の基本は バランスの良い規則正しい食事、質の良い睡眠、きっちり排泄、です。
ですがそれだけでは無月経に対して、効果が出てくるのに時間がかかるかもしれません。
私が皆さんに直接鍼灸治療をさせていただくわけにいかないからです。
自己判断で無月経を長く放置していると、子宮の委縮や若年性閉経に至る場合があります。
あるいはお体全体の不調が経閉として現れているかもしれません。
特に妊娠希望がある場合、不妊治療を受けるにしてもまず無月経の治療をしなければならず、時間との競争になる方もあるでしょう。
病院では検査で視床下部・下垂体・卵巣・子宮・膣など無月経に関連する部位や不足するホルモンなどの特定が行われ、薬が処方されます。
でも、不足するホルモンを補えば解決できるほど月経不順は単純ではありません。
皆さんのお体はとても繊細です。
服薬で来潮するようになっても、服薬を止めると再び無月経になる方もあります。
今まで来潮していたのに来なくなった経緯や、なぜそのホルモンが不足するようになったのかという原因や、お体全体の状態にも着目することが大切です。
どんな症状でも何か変だなぁ、と思いながらがまんしていると治りにくくなります。
軽く判断せず、月経不順が長引く場合は基礎体温を一定期間測って、東洋医学をしっかり学んだ鍼灸師や病院受診も検討してくださいね。
月経でお困りの方は以下の記事もご覧ください。
いかがでしたか?
東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。
お体も頑張りすぎると回復に時間がかかりますから無理なさらないようにね。
このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。
最後までお読みくださりどうもありがとうございました!
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参考:
東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)
燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻