東洋医学で考える不正性器出血、5つのパターンと自分でできる対策

鍼灸適応症状

こんにちは、Fijiです🐎。

もう9月、今年も残すところあと4ヶ月ですね。

皆さん、いかがお過ごしですか?

月経シリーズ、今回は月経ではないのに出血が続く不正性器出血についてです。

この記事は

  • 不正性器出血で困っている。
  • 薬に頼らず、根本治療したい。
  • 東洋医学や鍼灸に興味がある。
  • どんな考え方で治療するの?
  • 自分でできる対策はあるのかな?

とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。

Fiji
Fiji

Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。

日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。

私がどんなふうに不正性器出血を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。

そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。

崩漏(ほうろう)

東洋医学では月経ではないのに外性器から出血することを崩漏と呼びます。

女性ホルモンの分泌異常による機能的出血を東洋医学的に分類していきます。

ここではけがなど外傷性、婦人科系臓器の腫瘍性、子宮や膣の炎症性出血は含みません

お体に熱がこもりすぎたパターン

日ごろから熱のこもりやすい食べ物、わかりやすく言うと高カロリーなもの・味の濃いもの・辛いもの・刺激物・揚げ物を食べ過ぎていたり、お酒を飲みすぎるとお体は熱くなります。

また、精神的ストレスは気の巡りを停滞させ、停滞が長期化するとお体の中で熱いエネルギーになります。

Fiji
Fiji

ほら、怒りが爆発する、ってイメージするとわかりやすいかも。

頭のてっぺんから湯気が出てる感じ。

こういったお体の内部の熱に加えて、今年の夏も酷く暑かったですね。

お体の外の熱も体内にこもって悪影響を及ぼします。

するとお体は発汗排便排尿などで体内の熱を外に漏らそうとしてくれるのですが、それでも十分排出できないときは出血することがあります。

よくある随伴症状:

頻発月経傾向

歯ぐきからの出血。

鼻血

血便が出る。

鮮やかな色の大量の不正出血で臭いが強い

夜中に発熱する。

眼の充血。

口渇が強く冷たいものを飲みたがる。

舌の色が濃く深い紅色。

イライラして怒りっぽい。

出血しても疲労感はないことが多い

頻発月経の記事もご覧くださいね。

ご自分でできる対策:

熱のこもる食べ物には例えば焼肉があります。

牛という陽気の強い生き物の外側のお肉の部分を食べるので、内臓(陰の働きが強い部位)を食べるより陽気が強いことになります。

世の中にせっかくおいしいものがあるので楽しく食べていいと思います。

ですが必ず陰のエネルギーを持った食べ物を一緒に食べることが大切です。

陰のエネルギーを持った食べ物とは例えば葉っぱ物の野菜です。

焼肉にはサンチュが一緒に出されますね。

あれは食べ物を口に入れる段階で陰陽のバランスがとれるようにしましょう、そうすれば人の体の陰陽バランスがとれるという知恵です。

精神的ストレスは現代社会では避けられないものですね。

それでも発散できる運動や趣味を見つけてストレスまみれの状態が続かないようにすることが大切です。

気温が高いことは私たちではどうしようもありませんが、例えばアイスクリームなどを食べ過ぎない、冷たいジュースを飲みすぎないことも大切です。

暑い日には冷たい口当たりが心地いいかもしれませんが、最終的には体内で糖分は熱になります。

できれば南国のフルーツなどお体から熱を取ってくれる食べ物で涼をとれるといいですね。

胃腸の弱りのパターン

夏に冷たいものを食べ過ぎたり、日ごろから食生活が乱れたりすると胃腸が弱ります。

また精神的ストレスが高じて胃腸の調子を崩す方もいますね。

東洋医学では五臓六腑のうち脾の臓が血管内に血をとどめておく統血(とうけつ)という働きをすると考えます。

脾の臓は胃とともに消化吸収に関係が深く、この弱りが不正性器出血となることがあります。

よくある随伴症状:

稀発月経傾向

血の色は淡いことが多く粘り気が少なくサラサラ

食欲不振。

軟便・下痢・泥状便。

顔や瞼が浮腫む

疲れやすい。

出血すればするほど疲れる

稀発月経 の記事もご覧くださいね。

ご自分でできる対策:

バランスと消化の良い食事を心がけ、規則正しい生活を送るのが一番。

あまりに当たり前すぎて面白くないアドバイスかもしれませんね。

でも、当たり前ができないことで起こる病気はたくさんあります。

お体の水分が減ったパターン

お体の陰陽のバランスが取れていると健康ですが、お体のどこかでそのバランスが崩れるとなにかしら症状がでてきます。

例えば過度の発汗や睡眠不足・連続した多くの出産でお体の水分(陰)が減りすぎると相対的に熱(陽)が強くなります。

するとお体の熱傾向が強くなり、陰陽バランスをとるために出血することがあります。

よくある随伴症状:

出血は鮮紅または暗紅で粘り気がある

頬の紅潮。

口の渇き。

ドライアイ。

手のひらや足の裏や胸が熱い。

腰や膝のだるさや痛み。

寝汗をかく。

痩せる。

無月経の記事もご覧くださいね。

ご自分でできる対策:

がんばりすぎていませんか?

疲れていませんか?

陰(水)を補う必要があります。

水を飲めばいいという単純な話ではなく、例えばよく眠ると陰が補われます

たまには休憩が必要ということですね。

お体が冷えたパターン

過労・加齢、長患いや若くして出産回数が多いとエネルギー不足からお体を温める力が弱くなることがあります。

その結果、血を体内にとどめておけなくなることがあります。

よくある随伴症状:

寒がる

冷えると症状が悪化する。

頻尿、尿は透明で量が多い

下痢。

下腹部が冷える。

足の浮腫み。

ご自分でできる対策:

お体、特に下腹部を冷やさないように腹巻を付けたりや靴下をはきましょう。

生姜やシナモンなど体を温めてくれる食べ物を積極的にとるのはいかがですか?

お体の血の巡りが悪くドロドロになったパターン

お体の熱が増えすぎた状態が長期化すると今度は血がレバーのようにドロドロになってきます。

瘀血(おけつ)といいます。

お体は何とかしてこの瘀血を排出しようとして月経期以外で出血することがあります。

よくある随伴症状:

出血は暗紫。

血塊が含まれる

下腹部や鼠径部を強く押すと痛みがあることがある。

顔や唇の色がくすんでいる

舌の色が紫っぽい。

舌の裏側の舌下静脈が太い

月経困難の記事もご覧くださいね。

ご自分でできる対策:

気血と言われるように気と血の流れは気の流れと一緒に動きます。

崩漏で出血するということは、そもそも気の流れがスムーズでない可能性が高いです。

楽しいこと、打ち込める趣味やストレス解消法を日々実践してみてはいかがですか?

崩漏だけでなく様々な症状が楽になると思います。

最後になりましたが、不正性器出血で忘れてはいけないのが妊娠の可能性です。

異常妊娠の場合、出血することがあります。

この場合は必ず病院受診してくださいね。

いかがでしたか?

東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。

お体も頑張りすぎると回復に時間がかかりますから無理なさらないようにね。

このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあることはご了承ください。

最後までお読みくださりどうもありがとうございました!

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参考:

東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)

燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻

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