2020年2月1日、ドバイ国際空港で私はついに立てなくなりました。休暇先マルタへのトランジットで降り立つはずの空港でした。
「車椅子をご用意しますからお待ち下さい。」
人生の強制終了。
あまりの激痛で冷や汗が全身をどっと流れていました。
20年来の持病の股関節痛が爆発した瞬間、
左の股関節はピクリとも動きませんでした。
これからしばらくの期間、私の病気についてブログ記事にします。
誰も私の症状に興味はないかもしれませんね。
それとも実際に股関節に激烈な痛みを抱え、必死の思いで検索し続けて当ブログにたどり着いたのでしょうか。
一個人の闘病体験ですが、この病気に関する正しい情報が圧倒的に少なく、適切な治療を受けられずに激痛で困っている誰かのお役に立てれば嬉しく思います。
はじめに
私の診断名は
A. 変形性股関節症
B. 股関節臼蓋形成不全
C. 先天性股関節脱臼
(現在は先天性でなくても股関節脱臼発症の可能性があり「発育性股関節形成不全」と言われます。)
の3点セット。
股関節痛を感じて病院受診した方に多い診断名です。
皆さんの中には変形性…と聞いて、
「な~んだ、加齢性の病気か」
と思った方もあるかと思いますが、私の発症は30代。
加齢が原因とは言いがたい年齢でした。
日本では整形外科を受診しても、医師から50年前の誤情報があたかも真実のように平然と伝えられるのみで、一個人が真実にたどり着くことは至難の業です。
治療方法にいたっては
人工股関節置換術、または
全く放置されるかの究極の2択です。
ただし、発症の年齢により自骨の骨切り術が治療候補になることはあるようです。
2022年1月現在ですらネット検索上位に誤情報が堂々と掲載されています。
著名な医師、有名な病院や業界団体、メディアでも誤情報を唯一無二の真実のように述べていることがあるのです。
「病気は早期受診、早期発見」と言われるのに反して、私のように初期に受診していたとしても、適切な時期に正しい治療がなされず、回避できるはずの痛みで苦しむ人が大勢いるのです。
変形性股関節症で命を失うことはありません。
それゆえ患者の痛みと訴えは軽んじられてきた、と言っても過言ではないでしょう。
この診断を受ける患者数は300万人とも600万人ともいわれています。
そもそもこの患者数、2倍に上る隔たりが物語るのはきちんとした医療対象として扱われていないため、確たる診断基準も治療方法も確立されておらず、結果、疫学もはっきりしないまま放置されている、ということではないでしょうか。
300万人なら茨城県の人口。
600万人なら千葉県の人口。
これだけの患者さん、その多くは40~50代の女性、が苦しんでいるのです。
私も実際5人の整形外科医から
「命にかかわる病気じゃないので様子を見ましょう」
と言われました。
様子を見ていられるほど悠長な状況ではないから受診したのにもかかわらず、です。
私が必要としたのは診断名ではなく治療です。
本ブログの目的は以下の3点
1.「痛み」それも「慢性痛」で苦しむ膨大な人々の改善のヒントになれば、という強い思いです。
股関節痛だけでなく、肩・腰・膝・線維筋痛症など多くの全身の筋肉の痛みには共通する部分があります。
変形性股関節症の患者数300万人~600万人に加え、膝関節症の患者数は2000万人~3000万人、線維筋痛症患者数は200万人、日本の人口の3~4人に1人は何らかの筋肉の痛みを持っている、ということになります。
2.皆さんのお給料の中から当然のように毎月引き落とされている健康保険料がこのような使われ方をしている、日本の医療は進んだ分野もあるものの、今なおガラパゴスのように50年前のまま放置された分野があることを問題提起したいのです。
厚生労働省の発表では日本の2019年の年間医療費は44兆円です。
一人当たり35万円、国民所得の11%に該当します。
健康で全く医療費のかからない人がいることを考慮すると一人当たりの医療費はもっと多額になります。
若者のお給料が上がらない中、社会保障費や健康保険料、税金だけがどんどん上がり、私が20~30代に楽しんだような豊かな生活が難しくなっています。
皆さんがせめて健康だけでも自分で守ることができれば、と思います。
引用元:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/19/dl/kekka.pdf
3.日本人は世界で最も座っている時間が長い民族です。
なんと一日7時間!
スポーツ庁がオーストラリアでの研究結果を発表しました。
一日7時間もの時間を座って生活していると股関節には大きな負担がかかります。
常時曲げていることから屈曲拘縮(股関節を曲げたまま筋肉が縮こまってしまう状態)を起こしやすくなります。
それは股関節痛につながり悪化させやすいのです。
ますます患者数が増えるのではないでしょうか。
引用元:スポーツ庁
本ブログの変形性股関節症カテゴリーの構成
次回以降のブログで以下について記事にしていきます。
1.整形外科医の説明・治療・指示された運動メニューとそれらに対する私の疑問。
2.極末期の私の状態。
3.病歴。
4.患者の私がたどり着いた股関節痛の本当の原因。
5.人工股関節置換術が唯一の解決策?再生医療?うまくいかなかった患者さんたちの話。
6.2022年1月時点の現状と行っている対策。
7.回復への希望、お世話になった動画や書籍。
長くなりましたので次に続きますね。
最後までお読みくださりどうもありがとうございました!
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