こんにちは、Fijiです🐎。
いよいよ新年度が始まりましたね。
新しい学校に入学したり、職場が変わったり、様々な変化の時期ですね。
ただ、今からスタートダッシュをかけすぎてゴールデンウイークには五月病にかかってしまう人がいます。
この記事は
- 疲労で困っている。
- 薬に頼らず、根本治療したい。
- 東洋医学や鍼灸に興味がある。
- どんな考え方で治療するの?
- 自分でできる対策はあるのかな?
とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。
Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。
日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。
私がどんなふうに疲労を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。
お役に立てれば嬉しいです。
そもそも疲労って?
「疲れた~」と思っても人によってさまざまな感じ方がありますし、人に説明するときも数値化しにくいですね。
疲れた、だるい、眠たい、休憩したい、などいろいろな表現方法があります。
東洋医学的には「疲れた~」という患者さんにざっくり2パターンあります。
- 精神的ストレスでサンドバッグがパンパンになっているパターン(実)と
- 肉体疲労でサンドバッグの砂が少なくなってしまったパターン(虚)です。
想像してみてください。
サンドバッグがパンパンすぎると押しても引いても動かないので、パンチの練習にもなりませんね。
逆にサンドバッグがごそごそだとパンチしても心もとない…、練習にもなりませんね。
「疲れた~」という日でも入浴してすっきり、帰りに友人と食事に行ったらめちゃくちゃ楽しかった、日課の筋トレをしたらなんだかさっぱりした、という場合は実型の疲労かもしれません。
逆に「疲れた~」という日にはもう入浴する気もしない、夕方になればなるほど動きたくもない、腰痛、もうベッドに直行、ご飯を食べるなんて無理~、夜間に何度もお手洗いに行く、という場合は虚型の疲労かもしれません。
八綱弁証(はっこうべんしょう)
東洋医学では八綱弁証というルールに基づいて病を分類して、その結果に沿って治療方法を決めます。
その八つの分類ルールというのは表裏寒熱虚実陰陽(ひょうり・かんねつ・きょじつ・いんよう)です。
表裏とは
表の病気(つまり体表面の病気=風邪なのか)
裏の病気(つまり風邪以外の内臓の異常による病なのか)
表裏の見分け方:
ご自分が風邪をひいていないか、風邪の初期症状の有無を感じてみてください。
ぞくぞく寒気がしたり、鼻水が出たり、のどの痛みや頭痛・肩こりがないかで判断してみましょう。
寒熱とは
お体が寒の病気(冷えに傾いたのか)
熱の病気(体の中が熱すぎるのか)
寒熱の見分け方:
ご自分の体は熱いのか、冷えているのかを考えます。
例えばカフェで氷入りの水が出されたら寒い季節でもうれし~い、一年中冷たいビール飲みた~い、便がコロコロで臭いが強く硬くて出にくい、いつも人より薄着で平気だな、顔面紅潮している、尿は濃い黄色で量は少ない、などなら熱に傾いているかも、と考えられます。
寒がりで厚着をしてもまだ寒い、尿は無色透明で量が多い、軟便か下痢傾向で臭いもないなら冷えに傾いているかも、と考えられます。
虚実とは
虚の病気(つまりエネルギー不足なのか)
実の病気(つまりエネルギーが有り余っているのか)
虚実の見分け方:
一番はっきりするのは入浴後、排尿・排便・発汗後、女性なら月経後、すっきりするのか、ぐったりするのかで判断してみましょう。
何かを出してぐったりするなら虚傾向。
何かを出してすっきりするなら実傾向。
陰陽とは
ご自分が全体として陰に傾いているのか、陽に傾いているのか、考えます。
陰が水、静的、夜、眠る、女性などのイメージで、
陽は太陽、動的、昼、活動する、男性などのイメージで代表されます。
以下の記事でも八綱=表裏寒熱虚実陰陽について触れていますので興味のある方はご覧くださいね。
八綱弁証 について
表裏(外感と内傷とも言います)について
寒熱について
虚実について
陰陽について
自分でできる対策
エネルギー不足が原因なら、
きちんとバランスの取れた消化の良い食事を心がけるのがいいです。
季節の食材は栄養が豊富なので取り入れるのもいいですね。
食べ過ぎないことと同時に無理なダイエットなど食べない過ぎも避けましょうね。
睡眠は陰のエネルギーを養ってくれますから夜十分な睡眠をお勧めしますが、帰宅や寝るのが遅くなってしまったら30分以内のお昼寝ができるといいですね。
睡眠不足が原因なら、
15分でもいいので早めにベッドに入るよう心がけましょうか。
日中、勉強や仕事を頑張りすぎると脳が興奮してしまい、なかなか眠れない方もありますが、横になるだけでもお体は楽になります。
また、寝る直前にSNSや動画を観すぎるのも脳が覚醒してしまうので避けたいですね。
精神的ストレスは、
新しい学校や職場環境では避けられませんね。
通学・通勤のご苦労もあると思います。
疲労困憊して帰宅して、ごろ~んと横になりたい気持ちはわかりますが、実は精神的ストレスはお体を程よく動かすことで、気が巡り楽になります。
学校や会社でじっと座って頑張っていることで気の流れが滞り、気滞(きたい)が生まれるので
「こんなに疲れたのに、運動なんか(怒)」
とおっしゃらずに一度やってみてください。
きっと、後悔しないはず。
もし、さらに肉体疲労が増したなら、それは虚かもしれませんよ。
実型の疲労で気を付けていただきたいのは
「疲れた~」と思ってエネルギーを補うような
薬、サプリ、栄養食品は避けたほうがいい、ということです。
意外ですか?
でも、そもそもお体はパンパンのサンドバッグ。
さらに砂を足すような補う薬などは停滞を強めることになるんです。
疲労が原因なら、
疲労というのは痛みやしびれ、かゆみと同じくお体の声です。
悲鳴かもしれません。
休憩しても、楽しいことをしても、食べても寝ても解決しない場合、ご自分で思っている以上にお体が疲弊している可能性があり、また、重篤な病気が隠れているかもしれません。
お体も頑張りすぎると回復に時間がかかりますから無理なさらないようにね。
私は患者さんによくゴムの話をします。
ゴム、最初はよく伸び縮みしますね。
でもずっと伸ばしっぱなしだと、いざ、ここ一番!というときにもう伸びられないので、伸ばした後はいったん緩めてみると、ここ一番!というときに再びびゅーんと伸びてくれます。
いかがでしたか?
東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。
このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。
皆さんの新生活が楽しく、皆さんが思う方向へ進んでくれますように。
最後までお読みくださりどうもありがとうございました!
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参考:
東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)
燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻