皆さん、こんにちは、Fijiです🐎。
新年度の業務や勉強がオリエンテーション的な時期から通常業務、普通授業に移行する時期ですね。
いかがお過ごしですか?
楽しんでいますか?
まだペースがつかめず頑張りすぎて
「あ~、肩凝った~」
なんて声が聞こえてきそう。
この記事は
- 肩こりで困っている。
- 薬に頼らず、根本治療したい。
- 東洋医学や鍼灸に興味がある。
- どんな考え方で治療するの?
- 自分でできる対策はあるのかな?
とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。
Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。
日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。
私がどんなふうに肩こりを東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。
そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。
日本人と肩こり
厚生労働省が発表した2019 年 国民生活基礎調査の概況によると
日常生活で感じる自覚症状
女性: 1位、肩こり、 2位、腰痛 男性: 1位、腰痛、 2位、肩こり
なのだそうです。
お困りさん、いっぱい。
また、日本語には
- 経済が右肩上がり・右肩下がり
- やっと肩の荷が下りた
- 彼女の肩を持つ
- 肩で風を切る
- 部長の肩書
など肩にまつわる言葉が多いですね。
それだけ肩の問題が身近にあるということでしょうか。
ですが、過去1年間に鍼灸治療を受診した日本人は人口の約6%ほど。
ごくわずかです。
残念…。
東洋医学をきち~んと学んだ鍼灸師の的確な治療を受ければすっご~く楽になるんですよ~。
一般的に考えられることの多い肩こりの原因
- PC作業やゲームなどで長時間同じ姿勢
- 眼精疲労
- 加齢
- いつも同じ側で鞄を持つ
- 冷え
- 運動不足
- 精神的ストレス
私が東洋医学的に肩こりの治療をさせていただくときは
主に以下のように考えます。
- 風邪をひいたパターン
- 冷えたパターン
- 精神的ストレスから気滞(気がのびやかにめぐっていない)パターン
- 精神的ストレスが長期化して熱化したパターン
- 精神的ストレスが長期化して瘀血化(レバー状)したパターン
- 余分な湿気と痰がたまったパターン
- 血が不足しているパターン
- 加齢・過労などエネルギー不足パターン
それぞれどんな特徴があるか、それに対してご自分でどんな対策ができるかお話ししますね。
風邪をひいたパターン
意外に思われるかもしれませんが、風邪の初期症状に肩こり、首のこりがあります。
首の後ろ側付け根あたりに
- 風門(ふうもん、風邪が入ってくる門という意味)や
- 肺兪(はいゆ、ゆはツボという意味で、肺のツボ、風邪は肺と関係が深いですね)
というツボがあります。
ちょうどパーカーのフードのかかるあたりです。
寒い風邪はそこから体に侵入してくる、と考えるんですよ。
対策:
まずゆっくり休んで風邪を治しましょう。
風邪が治れば肩こりも退散してくれます!
風邪の記事もご覧くださいね。
冷えたパターン
肩に限らず、お体はエアコンなどで冷やしすぎると気血の巡りが悪くなり、ひどくなるとこりではなく痛みになってきます。
そのうえ、雨でも降ろうものなら重だるい感じがしてきます。
ご自分の舌の上に生えている苔が白く水っぽい感じになります。
対策:
何はともあれ暖かくしましょ。
外出先などで重ね着するものを持ち合わせていない場合は、背中や首筋にタオルやハンカチを入れるだけでも暖かくなりますよ。
精神的ストレスから気滞(気がのびやかにめぐっていない)パターン
幼い子供のように屈託なく、楽しく走り回ってのびやかだと、気もよくめぐりますが、大人になるとそうはいかないいろいろな事情がありますね。
最初、肩が張るような感じがします。
軽度の肩こりならシャワーヘッドを首や肩に当ててみたり、湿布薬でも寛解します。
このくらいの時からマッサージに行く人が増えてきます。
明らかに精神的ストレスが高じると肩こりも悪化しがち。
イライラすればするほど、焦れば焦るほど、肩がこってきます。
女性なら月経前に肩こり、頭痛、わき腹の痛みや胸の張りが強くなる方もあります。
このパターンで多いのが、肩こりといっても実は左右の肩甲骨の内側がこっている、という方も肩こりという表現を使うことです。
肩甲骨の内側の背骨近くに心兪(しんゆ)という名前のツボがあります。
まさに漢字どおり心❤の様子を示すツボです。
思い当たる方、大勢いますね。
対策:
仕事やゲーム、PC作業中でも、こまめに四肢を動かして気が滞らないようにしましょう。
首には大切で繊細な神経が通っていますから肩がこったからと言って首をぽきぽき鳴らしたり強く動かすのはお勧めしません。
強めのマッサージをお好みの方もありますが、東洋医学では邪気(余分なもの)を体内に押し戻す、と考えますので、優しいマッサージをお勧めします。
邪気については以下の記事もご覧くださいね。
社会人をしていると精神的ストレスも多く、多種多様、現代社会では避けて通れないものですが、一区切りついたらぜひ何か全く違うことをしてみてください。
例えばクライアントさんから、突然理不尽な納期の繰り上げ依頼があったら、ベストを尽くしてそのあとは
「ひどい!こんちくしょ~」
と思うより、大好きな野球チームの応援に行く、といった感じです。
精神的ストレスという自覚がなかったとしても、急いできっちりとした作業をするために実はいつも以上に気を使って、体を緊張させたかもしれません。
がんばったらその分ご自分とご自分のお体をほめてあげてくださいね。
精神的ストレスが長期化して熱化したパターン
わかりやすい症状は目の充血です。
顔面が紅潮してくることもあります。
イライラに乗じて肩こりも増悪してきます。
舌の先がピリピリしたり、いつも以上に舌の先が赤いことがあります。
入浴するとのぼせる人もいます。
いつも以上に飲酒後顔が赤くなる、酔いが回りやすくなる人もいます。
肩甲骨の間あたりから凝り始め、首から後頭部へと凝りが上に広がる実感のある方もいます。
これを「気の上逆」と言います。
頭痛に発展することもあります。
気の上逆については以下の記事もご覧くださいね。
対策:
たまったストレスを発散すべく、ゆったりとした運動をしましょう。
激しい運動は実はお体がリラックスするとは限らないのです。
リラックスしたお体にこそ気血がよくめぐってくれます。
手ぶらで目的もなく散歩。
そんなことで肩こりがよくなるの?と思うかもしれませんが、実はお勧めです。
なぜなら現代人はスケジュール帳に書くような重要なお約束事ばかりで日々の予定がいっぱいだからです。
今の季節ならお散歩中に、「あ、モッコウバラが満開だ~」なんてこともあり、心が動きますよ。
精神的ストレスが長期化して瘀血化(レバー状)したパターン
夜間就寝中に肩の痛みで目が覚めたり、
凝りから刺すような痛みに変化してくることがあります。
舌の裏側を流れる舌下静脈(ぜっかじょうみゃく)がいつもより太く紫っぽくなりがち。
女性なら月経前の諸症状が悪化したり、
生理痛がきつくなったり、
血塊を排出することもあります。
対策:
瘀血化してくるとなかなかご自分でそのドロドロしてレバー状になった気血の流れを改善することがむつかしくなってきます。
日ごろから肩のストレッチ体操をしたり、肩だけでなく全身運動を少しずつでいいのでこころがけるといいですね。
余分な湿気と痰がたまったパターン
普段から脂っこいもの、味の濃いもの、甘いものの食べ過ぎやお酒の過ぎでお体に余分な湿気と熱がこもっているため痰が生まれがち。
東洋医学では痰は喉だけでなく全身あらゆるところに溜まる、と考えます。
そういう方の肩こりは体全体の重だるさを伴い、湿度が高い日には一層肩こりが増悪しやすいです。
対策:
普段から食べ過ぎ飲み過ぎに注意して、
「あ~、食べ過ぎちゃった~」
という日には運動で消費してしまいましょうか。
たまにはハメはずして食べたいよ。
うん、毎日食べすぎじゃなきゃ大丈夫!
血が不足しているパターン
肩凝り以外にこむら返りしませんか?
お日様がまぶしくて、オシャレの一部としてではなく、サングラスをかけたくなりませんか?
肩こりのみならず全身の動きがぎこちない、硬い、なんて方も。
女性なら月経後半から肩こりが悪化してくる、なんて方もあります。
こういった場合、血が足りていない可能性があります。
対策:
血を潤沢に生産するもとになる食べ物、
例えばレバー、赤身肉、豚肉、青魚(イワシやサバ)、ニンジン、ホウレン草、クコの実や棗(なつめ)などを食べましょうか。
そもそも血が足りない状態なのでお体を冷やす食べ物、例えば冷たい食べ物や冷たい飲み物をとりすぎると一層気血がめぐりにくくなります。
加齢・過労などエネルギー不足パターン
過労と連動して肩こりが増悪しがち。腰痛・膝痛の出る人もあります。肩こりがひどくなると耳鳴りがしてくる人もいます。
対策:
よほどの優先事項以外は少し後回しにしてみてもいいかも。
肩が凝ったりそのほかの体の不調を抱えたまま無理すると後でどっか~ん、としっぺ返しが来るからです。
頑張り屋さんは
「たかが肩こり」と言って頑張りますが
「されど肩こり」です。
大きな病気になったら頑張っても元も子もないですね。
肩こりと一言で言っても上記のように様々な病因病理(びょういんびょうり=病の成り立ち)があります。
肩こりがひどいとき、勇気を出して鍼灸治療を受診したことがある方もいるかもしれませんね。
ただ、一般的に皆さんがイメージする鍼灸は肩こりの場合、肩の周囲にたくさん鍼を打ってもらって硬くなった筋肉を緩める、鍼を刺してもらった後、通電して患部を温める、というものではないですか?
単純な筋肉の問題ならそういった治療で楽になることもありますし、そういった治療が上手な先生もおられます。
でも、すぐにぶり返すことがあります。
その場合は根本原因に正しくアプローチできていない可能性があります。
そんな残念な経験をもとに鍼灸イコール古臭い、効かない、という印象を与えてしまっているかもしれません。
ぜひ、東洋医学をきちんと学んだ鍼灸師の治療を受けてみてくださいね。
東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。
このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあることはご了承ください。
最後までお読みくださりどうもありがとうございました!
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参考:
東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)
燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻