東洋医学で考える眩暈(めまい)、4つのパターンと対策

鍼灸適応症状

こんにちは、Fijiです🐎。

いよいよ大寒、一年で最も寒い時期。

ですが、お庭や公園の木々に、気を付けていないと見逃すほどちっちゃな芽が出てきましたね。

この記事は

  • めまいで困っている。
  • 薬に頼らず、根本治療したい。
  • 東洋医学や鍼灸に興味がある。
  • どんな考え方で治療するの?
  • 自分でできる対策はあるのかな?

とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。

Fiji
Fiji

Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。

日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。

私がどんなふうにめまいを東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。

そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。

めまいは一般的には脳か耳の働きに問題が生じた結果、平衡感覚に異常が起きて発症するといわれることが多いのですが、東洋医学ではそれ以外にも原因があると考えます。

前回の記事で春に多い気逆(きぎゃく)という考え方をお伝えしました。

復習しますね。

人の体は上から下へ、下から上へ、気血がくまなくサーっとめぐっていると健康なのですが、気が上ったままになることを気逆と言います。

気逆による春によく起こる症状の一つに眩暈(めまい)があります。

気逆については、以下の記事もご覧くださいね。

なぜめまいが起こるの?

症前に何か自分でできることはないの?

発症したらどうしたらいいの?

こんなポイントを含め、色々なパターンと特徴的な随伴症状とご自分でできる対処法を添えていきますね。

五行(ごぎょう)という考え方と関連の深い季節・臓器・邪気

五行とは東洋医学の基本となる考え方です。

万物は木火土金水(もくかどごんすい)と言う5つの元素からなる、と考えます。

聞いた事があるかもしれませんね。

   
象徴的な季節土用
(季節の
変わり目)
関係の深い臓器
影響のある邪気湿

上の表の縦の欄、木・春・肝・風を見てね。

東洋医学ではめまいのような揺れる症状を風(ふう)と呼びます。

春に風が吹いて体がゆらゆらする、といったイメージ。

そして精神的ストレスは肝の臓、ひいてはめまいに影響するのです。

五臓六腑や五行説については以下の記事もご覧くださいね。

以下のような代表的なパターンがあります。

精神的ストレスが溜まってメラメラ火になるパターン

東洋医学ではストレスが溜まって気血の流れが鬱滞した状態が長く続くと熱になり、さらに長期化すると火になる、という考え方があります。

An angry woman with too much qi energy ascending

皆さんの中にもストレスが溜まって、イライラ、どっかーんと爆発💣しちゃった経験、ありませんか?

特徴

イライラに伴いめまいがきつくなる。

目の充血・頭痛・顔面が紅潮。

口渇またはお口の中が苦い。

興奮して眠れない。

(これらは気逆(きぎゃく)の症状なので春に多いのです。)

対策

A woman in a calm state of mind

ストレスの原因は何かしら?お仕事?子育て?介護?

一段落したらご自分が一番好き❤なことを10分でもしてみましょうか?

丁寧にお茶を入れてみる、好きな歌を口ずさむ♪、ゆったりお散歩。

そんな時間ない?

でもね、実はやってみるとこれがとっても効果的です。

痰が体幹に溜まるパターン

たまに道端で「かーっつ、ぺっっ」とやっている人を見たことがあるかもしれませんね。

東洋医学では痰は咽喉だけでなく全身どこにでも溜まると考えます。

そして体幹部に溜まった痰が気血の上下の交流を阻んでめまいを起こすこともあるんです。

特徴

雨天や曇天時に眩暈が悪化。

頭が重い。

腹部膨満感。

吐き気。

食欲不振。

体が重い等

対策

日頃から暴飲暴食を控えて、食べ過ぎた時はこまめに運動して余分なものをお体にため込まないのがいいですね。

痰や鼻水が黄色い、っていう方はお体が熱傾向です。

味の濃いもの、脂っこいものを控えることもお勧めします。

ん?お体が熱傾向?と思った方は以下の記事もご覧くださいね。

人の体は寒熱が程よくバランスが取れていると健康なのですがどちらかに偏ると症状としてでてくることがあります。

気血の流れの悪い瘀血(おけつ)パターン

特徴

頭痛、動悸、物忘れ、他に上記気逆症状等

対策

頭部打撲などの既往がある場合、頭部を流れる血が瘀血化して、(わかりやすく言うとレバーのようになって)巡らず、気が下りない、つまり気逆状態が続き、お体の上下のバランスが悪くなってめまいが起こることがあります。

万が一、手足の痺れ意識障害が伴う場合は病院受診をお勧めします。

以上が実パターンです。

あ、虚実について、ちょっと復習しておきましょう。

お体のエネルギーがちょうどよい量より多すぎると実足りないと虚と言います。

虚実という考え方は以下の風邪の記事もご覧くださいね。

以下はお体が弱っている虚パターン

過労・胃腸の弱り・貧血傾向パターン

特徴

動くほどに悪化。

慢性的。

起きると増悪。

全身倦怠感。

不安感。

月経後半に発症等。

対策

五行チャートのどの臓器の弱りが関与しているかによって対策が変わってきますが、基本的には無理をしないことを優先してくださいね。

おへその下指4本分の所に関元(かんげん)という名前のツボがあります。

ヨガや武道をする方ならご存知かもしれませんが、臍下丹田(さいかたんでん)と呼ばれる場所のことです。

そこに手を当ててみましょう

手のぬくもりを感じたら、ほら、気が集まってきます

青竹踏みもお勧めです。

調子の悪い方は足底に感じる痛みに左右差があるはずです。

左右差がなくなるころには気が足元に下がってきてくれます。

ただし、めまいがきついときは安全を優先してくださいね。

Mallets with handles up and down

めまいのする方は、わかりやすく例えるとハンマーの槌の部分が上になって、柄が下になって安定を欠いてゆらゆらする感じ。

ですから下半身にエネルギーを充実させて、槌の部分が下に来て安定するようなイメージができるといいですね。

いかがでしたか?

東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。

このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。

他の随伴症状やコロナ感染の可能性を含めて、あまりにふらつきがきついときは病院受診を視野に入れてくださいね。

一人でも楽になっていただけたら、と思います。

最後までお読みくださりどうもありがとうございました!

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参考:

東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)

燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻

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