こんにちは、Fijiです🐎。
3月3日おひなまつり、日差しが優しくなりましたね。
先日、患者さんから
「着圧のハイソックスってどうですか?」
と質問がありました。
「夕方になったらブーツ👢がきつくって」
「ゆるゆるのレギンス👖はいてるんだけどなんだか締め付けられて…」
「飲んだ🍺翌日、顔が腫れぼったいんです」
なんて浮腫みにお悩みの方は、老若男女を問わず多いですね。
この記事は
- 浮腫みで困っている。
- 薬に頼らず、根本治療したい。
- 東洋医学や鍼灸に興味がある。
- どんな考え方で治療するの?
- 自分でできる対策はあるのかな?
とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。
Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。
日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。
私がどんなふうに浮腫みを東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。
そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。
浮腫みと聞いてまずぴ~ん!と思い浮かべるのは水!
お体全体に占める水分の割合は
- 成人男性で60%
- 女性は55%
- ご高齢の方だと50%
- 赤ちゃんは70%~80%ぐらい
赤ちゃんのお肌、みずみずしいわけですね。
気血水(きけつすい)
東洋医学の「気血水(きけつすい)」という言葉を聞いた事はありますか?
「気」は生きる生命エネルギー、
「血」は主に血液、
「水」は血液以外の体液のことで水分代謝や免疫などにかかわり、
「気血水」が協調して体の隅々に栄養を運び、老廃物を除去してくれます。
でもこの「水」の流れやバランスが崩れると浮腫みとして自覚する方が増えます。
また、最近はテレワークやPC作業が増え、日中の歩数が100歩未満、なんて方もあり、運動不足からの浮腫みの訴えが増えています。
まず結論から言いますね。
着圧ソックスをはいて楽になるならはいて楽になりましょ!
ですが、それは症状(=うまく巡らない水分)が一時的に強制的に別の場所に移っているだけで(対症療法)、本質的な解決(根本治療)になっていない可能性があります。
つまり余剰の水はどこに行ったのでしょう、という疑問が残り、そこを解決しなければなりません。
以下に東洋医学的浮腫みの5分類とご自分でできる対処法をお伝えします。
寒い時期の風邪
症状:
瞼や顔面の浮腫みが顕著。
風邪症状、例えばぞくぞく寒気がしたり、発熱したり、肩凝りや後頭部の頭痛を伴うこともあります。
風邪(ふうじゃ)が肺に影響し、尿量が減る場合もあります。
尿が出ないのでますます余剰の水分が上半身に出やすいのですね。
対処法:
暖かくしてまず風邪を治しましょう。
東洋医学ではどんな症状でもまず風邪が原因ではないか、と一番に疑います。
風邪の記事もご参考くださいね。
暑い時期の風邪
症状:
瞼や顔面の浮腫みが顕著。
風邪症状ですが、冬の時期の冷えからくる風邪とは違いぞくぞくとした寒気は少なめ。
でも、のどの赤みや痛みがみられる場合があります。
色の濃い少量の尿が出ます。
対処法:
エアコン設定温度を下げ過ぎると風邪も治りにくいです。
まず風邪が治るようにゆっくり休んでくださいね。
東洋医学では肺が全身の水はけを管轄する、と考えます。
風邪=肺の病気、なので風邪が治れば浮腫みも治まります。
過度の湿気が体内にある場合:
お体の中にある余剰の水分を内湿(ないしつ)と言います。
内湿の多い人は雨天前や湿度の高い日(=外湿(がいしつ)が多い)に浮腫みがちです。
お体の中に余剰な水分が生まれてしまう理由は、常日頃から過度の飲酒、甘いものや脂っこいもの、味の濃い物の取り過ぎによりお体の中に余剰の湿気がとどまることがあるからです。
他に現代の食生活ではハムやファーストフード、お酒のおつまみなどを食べ過ぎて、知らず知らずのうちに塩分を摂りすぎていても全身に浮腫みが出やすいです。
症状:
お体全体では水が多すぎるのですが浮腫みとして全身に広く停滞してしまいます。
結果、尿量は少なくなることがあります。
また、水分は重たいので特に下半身、お腹や足のむくみが顕著になることがあります。
全身の重だるさも出ることがあります。
よく寝ているのに眠たい、という症状の出る人もいます。
対処法:
飲酒はほどほどに。
甘いものや脂っこいもの、味の濃い物は控えめにしましょうか。
塩分の取り過ぎは高血圧などほかの病気を引き起こす可能性もあるので心のどこかで覚えていてくださいね。
控えめばっかりいやだ!という方、ぜひ運動しましょう。
四肢を動かすことがポイントです。
ガッツリ食べた後は筋トレ、いいですよ。
それから、
ミネラルウォーターを1日2リットル飲めば健康になる、って聞いたよ。
一時期このようにテレビ番組や雑誌で紹介されましたが、実は誰にとっても2リットルが適量とは限りません。
2リットルもの水が多すぎて体の中でだぶつく人もいます。
ご自分でご自分のお体に必要な量を飲むようになさってくださいね。
目安は「体に良いと思って無理して飲んでいないか」ご自分のお体に聞いてみてください。
精神的ストレスが原因の場合
精神的ストレスが長期に渡り強いとお体の気血の流れが停滞します。
ひいては水の流れも滞り、浮腫みがでます。
テレワークや外出自粛で運動量が減っても気血の流れが停滞します。
筋肉量が落ちても浮腫みが起こります。
症状:
四肢に弾力のある浮腫みが出がち。
浮腫みと言うと患部を押しても戻ってこないことを指す場合が多いのですが、精神的ストレスが原因の浮腫みは患部がパ~ン!と張った感じで患部を押してもすぐに戻ってくる人もいます。
脇腹の張りを自覚する人もいます。
ゲップやため息、おならが増える人もいます。
湿気と言うのは陰陽で説明すると陰の邪気です。
外界に雨雲(=陰邪)が垂れ込めてくると、日頃から深く悩んでいる人は気分がさらに滅入って、気血水の流れがますます滞り、浮腫みが増悪します。
曇りの日は調子が悪いけど雨が降ってしまえば楽になる人もいます。
対処法:
現代人にストレスは切り離せないものですが、少しでも好きなことに打ち込んでみたり、運動したり、発散できると気血水のめぐりがよくなります。
気をめぐらせてくれる柑橘類や香りの強い食べ物を召し上がるのもいいですね。
陰陽☯や邪気については以下の記事もご覧くださいね。
脾の臓(消化器系)や腎の臓の弱りから浮腫む場合:
症状:
長期に渡る飲み過ぎ食べ過ぎ、逆に食べなさ過ぎ、慢性病や高齢によりお体のエネルギー不足になっているとお体の気血水もうまく流れなくなり、浮腫みが悪化しがち。
患部の浮腫みは押してもくぼむばかりで戻ってきません。
長期化すると寒がり、泥状便や未消化物の混じった便が出る人もいます。
排便後にスッキリ感ではなく、疲労感の出る人もいます。
踝(足のくるぶし)に浮腫みが出てくびれがなくなる人もいます。
対処法:
現状以上に疲れないように、食べられるなら消化の良い温かいお粥を少しずつ召し上がってゆったりお過ごしくださいね。
ネット検索すると
「浮腫みにはカリウムを摂取するといい」
という記事を見かけます。
確かに体内の水分調整にはにはナトリウムとカリウムのバランスが大切です。
ナトリウムが体内に水を溜め込みますから、カリウムを摂取して体内のナトリウムを尿や汗として排出しよう、という意見ですが、これは弱りのない人向けの浮腫み対策です。
特に弱りから起こっている浮腫みの場合、必要な水分すら失ってしまうと脱水症状を起こしてしまいます。
ですから、なんでも偏らずにバランスよく召し上がる方がいいです。
腎臓病・心臓病・肝臓病・リンパ浮腫・下肢静脈瘤・甲状腺の病気でも浮腫みが起こりますから、ちょっとおかしい、と思ったら軽く思わず病院受診も検討してくださいね。
いかがでしたか?
東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。
このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあることはご了承ください。
最後までお読みくださりどうもありがとうございました!
にほんブログ村
参考:
東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)
燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻