東洋医学で考える頭痛、4つのパターンと自分でできる事前対策

鍼灸適応症状

こんにちは、Fijiです🐎。

とっても寒いですね。

いきなりですが、お正月過ぎから「頭が痛い…。」って方、いませんか?

この記事は

  • 頭痛で困っている。
  • 薬に頼らず、根本治療したい。
  • 東洋医学や鍼灸に興味がある。
  • どんな考え方で治療するの?
  • 自分でできる対策はあるのかな?

とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。

Fiji
Fiji

Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。

日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。

私がどんなふうに頭痛を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。

そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。

こんなに寒いけれど、今の時期の頭痛は実は春と関係があるかもしれません。

Aくん
Aくん

えっーつ‼️???

もうすぐ2月2日節分、今年は124年ぶりに一日早くなるとか。

節分は文字通り季節を分ける日で、どんなに寒くてもこの日を境に春の兆しが出てきます。

敏感な方の中にはすでにお体が春の兆しを感じて頭痛😥という方がちらほらでてくるのです。

春は木々が芽吹く季節。

すべてのものが上へ上へ伸びようとします。

人間も大自然の一部なので、この時期から気血が上半身に上りやすくなります。

つまり気血が上りすぎて頭痛がしてくるのです。

気逆(きぎゃく)という考え方

 上から下へ、

 下から上へ、

本来、気が人の体をくまなくサーっと巡っていると健康です。

気という考え方については以下の記事もご覧くださいね。

ところがいつも何かを我慢していたり、ストレスいっぱいでのびやかな気持ちでいられないと、お体は気鬱(きうつ)という状態になります。

気鬱が長期化すると気鬱化火(きうつかか)という、お料理で例えると煮詰まったような状態になります。

気の上向きのベクトルが強くなりすぎると、本来、下に降りるべき気も上に向かう気逆(きぎゃく)という状態になります。

気は頭蓋骨を破って上に行けないので強すぎる上向きのエネルギーが頭痛を起こす、と東洋医学では考えるのです。

春は特に気逆が起こりやすいのですが、ほかの季節でも日常的に頭を使って、気を使って、いつも我慢ばかりして、頑張って生活しているとリラックスできなくなります。

西洋医学的な表現を使うと交感神経優位になり、頭痛を起こしやすくなるのです。

気血と一語で語られるように「気」はいつも「血」と一緒に動きますから、気が滞ると血の流れも滞ります

それが木の芽時の春の頭痛に多いなあ、という印象です。

そして東洋医学では春は肝の臓と関係が深い、とも考えます。

そのためこの時期にストレス発散できずに、のびやかな気持ちでいられなかったりすると、肝の臓がしんどくなるのです。

その結果、イライラ・頭痛・肩こり・肩甲骨の内側が詰まった感じになりやすいの、心当たりのある方、いますね?

西洋医学でも肝臓は沈黙の臓器、と呼ばれ、なかなか症状が表に出ず、我慢強い臓器だと言われています。

外感(がいかん)と内傷(ないしょう)という考え方

頭痛には大きく分けて2つの原因、外感と内傷があります。

  •  外感とはお体の外部から無理やり攻め込んできた邪気による病です。

      よくある例は北風が吹いて寒い時期の風邪。

      風邪の引き初めに頭痛・肩凝りが出やすいです。

  •  内傷とはお体の内部に弱りがあって邪気に負けてしまう病です。

      一例をあげるとお正月休みに不摂生をして体調がすぐれない中

      初出勤日、パソコン作業を猛烈な勢いでこなした夜、頭痛😥

風邪については以下の記事もご覧くださいね。

今回は内傷の中でも頭痛を起こす4つのパターンを説明してみます。

上記、春の気配を感じて気逆、化火したパターン

エネルギーが有り余ってパンパンのサンドバッグみたいな状態。

エネルギー過多なので頭痛も強烈。

目の充血や眩暈が起こることもあります。

十分に眠れないなんてことも。

舌の先っぽが赤い。

A man taking a walk
  • 今、できること⇒

ゆったりお散歩すると足元を刺激することになり、気を引き下げることができます。

気のベクトルが上向きなのでこのタイプには便秘さんが多いです。

ほら、排泄はお体の下から出ていきますからね。

お野菜多めのお食事や納豆を食べるなど、お好みに合わせて便が滞らないようにしてみてください。

下半身が詰まっていると上に突き上げるしかなくなるので頭痛が出やすく、また酷くなります。

過去に交通事故にあったり頭を打った結果、気血の流れが悪くなって瘀血(おけつ)になってしまったパターン

わかりやすく言うと気血がレバーみたいに血塊化している場合。

長期化。

夜間痛で眠れない。

痛む部位が固定で全く移動しない

刺すような痛みの場合。

  • 今できること⇒

私の患者さんには念のため病院受診をお勧めしています。

飲み過ぎ食べ過ぎで体の中に病理産物(多すぎる湿気や痰)があるパターン

頭がくらくらする。

むかむかする。

頭に何か巻いているような感じ。

舌の上の苔が分厚い。

  • 今できること⇒

日頃から飲み過ぎ食べ過ぎないように心がけ、楽しく召し上がった後は適度な運動をぜひ!

虚があるパターン

東洋医学では体力・気力が低下した状態を虚(きょ)と言います。

虚実(きょじつ)という考え方は再び以下の記事もご覧くださいね。

頭が空虚な感じがする。

軽いめまいや腰痛がある。

疲れやすい。

セミの鳴くようなジーっという低音の耳鳴り。

動悸がする。

舌の色が赤い場合と、貧血傾向なら舌の色は淡くなる場合があります。

  • 今できること⇒

こんな頭痛のある時は無理して動こうとせず安静に。

入浴も控えて体力温存しましょうか。

頭痛に対して即効性のある薬、とまではいきませんがこのように弱りのある状態の方は、自然薯や黒豆を日々少しずつ召し上がることをお薦めしています。

Recommended food such as black beans and yam

自然薯は漢方薬としても知られ、特に寒い地方で秋以降にたっぷり栄養をため込んだもの滋養強壮効果が強いです。

アレルギーの有無を確認してお試しくださいね。

いかがでしたか?

東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んで、オーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。

実際、皆さんのお体を拝見していない状態で

「これいいよ!」

と断言できないところが歯がゆいです。

日常的に頭痛薬が手放せない方もいますが、痛みはお体からのSOSでもあります。

どうしようもなくつらい時の服薬は別にして、自己判断で市販の頭痛薬を服薬し続けることは根本原因の解決につながらない可能性があることを心のどこかで覚えていてくださいね。

コロナ騒ぎで病院受診しにくい今、皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

最後までご覧になってくださりありがとうございました!

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参考:

東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)

燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻

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