こんにちは、Fijiです🐎。
ぽかぽか陽気、うれしいですね。
Fijiは大きなバイク🏍に乗っていました。
この時期からツーリングシーズン到来と、あちこち走り回っていたんです。
ある時、イタリア製のDucatiというカッコよくて速いバイクに乗ってさっそうと先頭を走っていたA君、どう見てもお尻を外側に突き出していたのですね。
バイクに乗ったことのある方なら経験があると思いますが、バイクとライダーの重心がずれていると小回りもできないし、一体感がなく不安定でとっても乗りにくいです。
「A君、なんだか...
外側にすわってる?」
「おしりが痛い
( ^ω^)・・・」
そう、A君は痔主(地主😥😥😥)になって困っていたのです。
この記事は
- 痔で困っている。
- 薬に頼らず、根本治療したい。
- 東洋医学や鍼灸に興味がある。
- どんな考え方で治療するの?
- 自分でできる対策はあるのかな?
とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。
Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。
日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。
私がどんなふうに痔を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。
そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。
実は日本人の3人に1人は痔、という統計があります。
なかなか人に言えない方も多く、診察室でお尻を見せることから受診をためらう方もあり、その数はもっと多いかもしれません。
女性なら出産を機に痔になる方もあります。
痔の3種類
- 痔核(いぼ痔)
直腸と肛門の境目に歯状線(しじょうせん)と呼ばれる部分があります。
排便や出産時にいきみ過ぎた結果、
歯状線の内側に静脈がいぼのようになってしまうのが内痔核、
歯状線の外側に静脈が膨張したいぼができる外痔核があります。
外痔核の症状には出血、腫れ、痛みがあったり、肛門の外に痔核が出てくることがありますが、内痔核では通常痛みがなく、気づきにくいです。
- 痔瘻(あな痔)
下痢や水様便が続いた後、肛門近くのくぼみに細菌が侵入し感染を起こし、膿がたまるようになります。
長期化すると膿が増え排膿が間に合わず、肛門ではない場所にバイパスができてしまい、そこから膿が出てきます。
痛み、赤み、腫れ、出血、膿で下着が汚れたり、しこりが手に触れるようになります。
- 裂肛(切れ痔)
頻繁に硬い便や下痢便が出ると肛門の皮膚が切れて出血。
便器が真っ赤になって驚いたことがある方もいるかもしれませんね。
東洋医学的には4つのパターンを考えます。
暑い時期に風邪をひいたパターン
意外に思われるかもしれませんが、暑い時期や乾燥の時期の風邪が直接肛門に影響を及ぼすことがあります。
特徴的なのは排便時に肛門に灼熱感があったり、勢いよく放射状に排便、真っ赤な鮮血を出血するがある場合があることです。
最近の日本の夏は厳しい暑さですがエアコンは上手に使って冷やしすぎて風邪をひかないようにしてくださいね。
食べ過ぎ飲み過ぎパターン
脂っこいもの、味の濃いもの、香辛料のよく効いたもの、お酒の飲みすぎ、甘いものの食べ過ぎはお体に余分な湿気と熱をため込みます。
人の体はよくできていて、その余分な湿気と熱を排出するため排便時に肛門に灼熱感があったり、皮膚表面に痒みや乾燥をおこしたり、口内炎ができやすくなったりすることもあります。
西洋医学的には内服薬、座薬、軟膏、注入軟膏、手術で治療してもらえます。
でも、根本原因である余分な湿熱が体内にあると再発の可能性が高いです。
ぜひ適度な運動をしてお体に湿熱をためないようにしませんか。
またまた友人の話。
化粧品メーカーに勤務していたBちゃん、タイに美容指導と販売促進のためよく出張。
地元のおいしいレストランで毎回外食をして、1週間後の帰国時には
「お尻が痛くて、痛くて」
と言っていたことを思い出しました。
コショウやとうがらしなどの香辛料は消化されずそのまま排便されるので、肛門を通過するとき
「しみる~」
と言っていました。
瘀血(おけつ、レバー状の流れの悪い血)パターン
PC、スマホ、ゲームの普及に伴いずっと座っている、という人も増えましたね。
以下はスポーツ庁Web広報マガジンからの抜粋です。
日本人の成人が平日に座っている時間が、世界20カ国中、もっとも長い1日420分=7時間ということがわかりました。さらに、座っている時間が長いほど健康リスクが上がる研究結果も次々と報告され、メンタルヘルスにも影響を与えるといわれています。
https://sports.go.jp/special/value-sports/7.html
座っている時間が長いと肛門周囲の気血はうっ血して滞ります。
逆に長時間の立ち仕事も肛門は心臓より下に位置し、うっ血しやすいです。
また、便秘がちで排便時に強くいきまないと出ない、出ても硬い便ばかりだと肛門に負荷がかかります。
下痢の場合、急速に排便することになり、たとえ便が柔らかくても肛門に負荷がかかります。
残便感がある人は完全に排便したいと思うあまり便座に長時間座る傾向があり、これも肛門に負荷がかかります。
冷えも気血の流れを悪くします。
精神的ストレスが長期に渡ると気血の巡りが滞り内臓の動きを悪くするため便秘、下痢を起こしますから趣味や好きなことに没頭してストレス発散できる時間があるといいですね。
瘀血を生まないように日ごろから適度な運動をして、硬すぎず軟らかすぎない良い便が出るようにお野菜多めの食生活に気をつけるのがいいですね。
加齢や疲労など弱りパターン
お体には経絡と呼ばれる気血の流れる12本のルートがあり、そのうちの膀胱の経絡が肛門に流れています。
人は年齢を重ねたり、肉体疲労が蓄積されると下半身から弱ってくる、と言われますね。
下半身は腎・膀胱と関係が深く、それらが弱ってくると気血がうまく流れず、排便困難・排尿困難が起こり、ひいては痔を引き起こします。
東洋医学では房室過度(ぼうしつかど=過度の性交渉)も生命エネルギーが蓄えられている腎を弱らせる、と考えます。
程よい睡眠・休憩を心がけ、疲労をためすぎないことが最善の対策になります。
排便、排尿障害については過去記事もご参考にしてくださいね。
痔は生活習慣病のような一面があります。
日本人の食生活、生活様式は昔に比べて欧米化しているため痔でお困りの方は減りません。
痔でなくても肛門周囲や陰部の掻痒感(かゆみ)・STD(性感染症)も根本原因が湿熱であることが多い印象です。
最近はウォシュレット便座の普及により患部の洗いすぎ・強い水圧による負荷も懸念されます。
出血が続いたり、膿が出続ける場合、重篤な病態になる前に思い切って早めの病院受診をお勧めします。
いかがでしたか?
東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。
このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。
それでも一人でも楽になっていただけたら、と思います。
最後までお読みくださりどうもありがとうございました!
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参考:
東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)
燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻