東洋医学で考える腰痛、3つのパターンと自分でできる対策

鍼灸適応症状

こんにちは、Fijiです🐎。

初夏の陽気ですね。

友人から

友達くん
友達くん

「鍼灸といえば肩こり・腰痛でしょ!」

と言われました。

この記事は

  • 腰痛で困っている。
  • 薬に頼らず、根本治療したい。
  • 東洋医学や鍼灸に興味がある。
  • どんな考え方で治療するの?
  • 自分でできる対策はあるのかな?

とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。

Fiji
Fiji

Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。

日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。

私がどんなふうに腰痛を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。

そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。

日本人の国民病とも呼ばれる肩こり・腰痛

一般的に鍼灸は肩こり腰痛に対する治療専門のように受け止められていることが多く、私は日ごろからちょっぴり淋しく思っています。

というのも鍼灸は、もちろん肩こり腰痛にもよく効きます!

そして肩こり腰痛の患者さんが楽になってくれるととっても嬉しいです。

ですが、それだけにとどまらず、鍼灸は正しく使えば様々な症状に対応可能で西洋医学で難病と呼ばれる疾病に対しても有効なことが多いのです

もっと鍼灸の魅力を一般の方に知っていただきたいです。

Fiji
Fiji

鍼のファンが増えると

うれしいな。

さて、以前の肩こりの記事でもお伝えしましたが、2019年厚生労働省の発表によると日常生活で感じる自覚症状

  • 女性1位、肩こり、2位、腰痛
  • 男性1位、腰痛、2位、肩こり

なのだそうです。

10代からシニアまで腰痛で困っている方がたくさん。

「腰」という字は「月(にくづき=体)」に「要(かなめ)」とても重要な体の部分なのに腰痛の80%以上が原因が特定できないとか。

また、歩く動作で一歩ごとに腰には体重の6倍、股関節には4倍、膝には3倍の負荷がかかるという記述を見たことがあります。

体勢によってこの数値は変化する可能性がありますが、それでも、体重60キロの方なら、

 60キロ×6倍×5000歩/1日=1800トン

が腰にかかると考えると、腰には猛烈な負荷がかかっているのですね。

問診事項いろいろ

まず痛む部位を考えてみましょう。

腰、と言っても患者さんによっては

肩甲骨の下あたりからお尻あたりまでの広いエリアを腰とおっしゃいます。

私が治療の際にお聞きするのは以下のようなことです。

  1. どんな体勢で痛みますか?
  2. 左右、真ん中、どこが痛みますか?
  3. 最も痛むのは前屈姿勢?後屈姿勢?側屈姿勢ですか?
  4. じっとしていても痛みますか?
  5. 夜寝ている間でも痛みで目が覚めますか?
  6. 一日の朝昼晩、いつ痛みがひどくなりますか?
  7. 天候によって痛みに変化はありますか?
  8. 肉体疲労によって悪化しますか?
  9. 精神的ストレスで悪化しますか?
  10. 楽しいことをしていると痛みはどうなりますか?
  11. 痛みの種類は?
  12. 刺すように痛みますか?
  13. 重だるく痛みますか?
  14. 張るような痛みですか?
  15. シクシク痛みますか?
  16. いつから痛み始めましたか?
  17. 風邪をひいている自覚はありますか?
  18. 何か痛みのきっかけになる動作はありましたか?
  19. 発症時の精神的・肉体的な状態は?
  20. 何をすると痛みが増悪・寛解しますか?
  21. 入浴で温めて楽になりますか?
  22. 湿布薬や消炎剤で冷やすと楽になりますか?
  23. 一日のPC作業やスマホ操作時間はどのくらいですか?
  24. お体のほかの部分に不都合はないですか?
  25. 女性なら月経との関連も必ずお聞きします。

質問攻めですね。

まだまだ確認したいことがありますがこの程度にしておきましょう。

風邪が原因のパターン

東洋医学的治療ではすべての症状でまず初めに風邪の可能性を疑います。

風邪を体表の病気、つまり皮膚表面にラップを巻いた状態ととらえていて、風邪をひいているのに(=ラップを巻いているのに)ほかの治療、例えば痛みの治療をしても効果がないと考えます。

冬のように風邪が流行する季節でなくても、エアコンの影響で暑い季節でも風邪をひきます。

運動後に汗をかいたままにしていても、雨に濡れた洋服のまま過ごしても風邪をひきます。

その腰痛が急性ならなおさら、風邪を疑います。

お体には経絡、という気血の流れるルートがあります。

背中の上のほうに風邪が侵入してくる風門(ふうもん)・肺兪(はいゆ)というツボがあります。

同じ背中つながりで腰があります。

そして背面に縦に腎の臓、膀胱の経絡が流れています。

ですから風邪で腰痛が起こることも十分あり得るのです。

よくある随伴症状:

頭痛・肩こり・鼻水・くしゃみ・寒気など風邪の初期症状。

冷えの風邪の場合、

腰を冷やすと痛みが悪化。

温めると腰痛が楽になるが、じっとしていても腰痛は楽にならない。

湿気を受けた風邪の場合、

雨天・曇天の日に痛みが悪化。

足腰が重だるい。

発汗。

舌の上に生えている苔が白い。

暑い時期の風邪の場合、

灼熱感のある腰痛。

舌の上に生えている苔が黄色い。

ご自分でできる対策:

なにはともあれ風邪を治すとすっきり腰痛が治ります。

風邪は万病のもと、以下の風邪の記事もご参考くださいね。

精神的ストレスが原因のパターン

長期に渡って、精神的ストレスが原因で気血の流れがのびやかでなくなると気滞が起こります。

デスクワークやゲームなどで長時間腰に負担がかかる姿勢で過ごすととくに腰の気血の流れが悪くなります。

まず気滞が起こり、長期化すると血の流れも悪くなり、ひどくなると瘀血化(レバー状になる)といった具合です。

気血の流れがうまくいかないと痛みが起こります

皆さんにわかりやすく筋肉で説明してみますね。

現代社会を反映して、長時間PC作業やスマホ操作をするときの姿勢によっても腰痛が起こります。

PC作業やスマホ操作が楽しい時間であったとしても物理的に気血の流れが滞ります

そして人の体は伸ばす筋肉と縮める筋肉アウターマッスルとインナーマッスルなどが

ありとあらゆる場面でバランスを取ろうとしています。

ですが姿勢が悪く、骨盤が立たずにねてしまって猫背、背中から腰に掛けての筋肉が過緊張になったり、逆に反り腰になって縮みすぎてしまったりすると体の筋肉バランスが崩れます。

筋肉は長期に渡って本人が気が付かないほど少しでも常時過度の伸縮が与えられ続けるのが大の苦手で、凝り固まってしまい痛みをもたらします。

わかりやすく言うと古くなった輪ゴムみたいになり、伸び縮みできなくなるのです。

よくある随伴症状:

腰痛でも痛む部位が遊走性。

精神的ストレスで腰痛が悪化

イライラする。

ご自分でできる対策:

精神的ストレスを溜め込まないようになさってくださいね。

PC作業中やスマホ操作中でも時々お体を動かして気血の流れを促してあげましょうか。

例えば30分で腰痛が出てくる方はその前にお体を動かしてあげる。

1時間で腰痛が出てくる方もやっぱりその前にお体を動かしてあげる。

ストレッチをして少しでも楽になるなら継続しましょ

入浴して楽になるならシャワーだけで済ませず湯船につかることをお勧めします。

A woman with strained back

お体の左右のバランスが崩れているとぎっくり腰になりやすいです。

また、一度ぎっくり腰になったことのある方はその部位の気血の流れが滞りがち

痛みが治まってから普段から左右均等にお体を使うように意識してみてくださいね。

お体の弱りが原因のパターン

過労や加齢、長患い、過度の性行為でお体のエネルギーを消耗しすぎると腰痛が出やすいです。

ただ、お体全体ではエネルギー不足の腰痛ですからなんだかシクシク痛いなぁ、という感じの痛みが多いです。

痛みを出すにもエネルギーが必要なのです。

よくある随伴症状:

患部に手を当てたりすると気持ちよく、ずっと触れていたい感じがする。

安静にしていると腰痛がましになる。

長時間の座位・立位で腰痛が増悪する。

四肢倦怠感がある。

ご自分でできる対策:

今以上に疲労しないように休憩しましょうか

上記以外にも腰痛が起こるメカニズムは色々あります。

慢性腰痛でお困りの方で湿布薬や消炎鎮痛剤で楽になるという方がおられます。

急性痛の場合、そこに炎症があって熱感がある場合が多く、湿布薬や消炎鎮痛剤は冷やしてくれるので有効です。

でも、慢性痛は冷やすと血行が悪くなるのでお勧めできません

気滞程度の軽い痛みはあのメンソールの香りで気が巡り、楽になることはありますが常用するのはかぶれの原因にもなります。

今一度、腰痛の根本原因を改善する方法を模索してみてくださいね。

いかがでしたか?

東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。

お体も頑張りすぎると回復に時間がかかりますから無理なさらないようにね。

このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。

最後までお読みくださりどうもありがとうございました!

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参考:

東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)

燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻

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