こんにちは、Fijiです🐎。
梅雨明けと同時に猛烈な暑さ。
皆さん、いかがお過ごしですか?
夏太りするんです。。。
よく聞いてみると暑さのあまり頻繁にかき氷を食べたり、スポーツドリンクをたくさん飲んでしまうようです。
この記事は
- 太って困っている。
- 薬に頼らず、根本治療したい。
- 東洋医学や鍼灸に興味がある。
- どんな考え方で治療するの?
- 自分でできる対策はあるのかな?
とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。
Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。
日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。
私がどんなふうに肥満を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。
そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。
肥胖(ひはん)
東洋医学では肥満を肥胖と言います。
ただし、身長○○センチで体重○○キロだから肥満という考え方ではありません。
あくまでもその身長に対してその体重だと陰陽バランスが崩れて、健康上の問題を引き起こしているときに肥満の治療対象だと考えます。
一昔前、バー〇ー人形やファッションモデルのような体型が理想とされた時期がありましたね。
その人形を実物大にすると175㎝50㎏で、現実の平均値66㎏からは大きく痩せすぎ傾向だったようです。
またモデルの中には摂食障害を伴う人も多く、欧米各国の業界団体が相次いで痩せすぎモデルを規制しています。
時の流れとともに美意識も変わるのですね。
実際、日本では江戸時代までは色白、ふっくら、というのが美人の条件だったようです。
八綱弁証(はっこうべんしょう)の復習
東洋医学では病を診るときいつも八綱という大切な8つのポイントを考えます。
それが表裏・寒熱・虚実・陰陽です。
風邪・花粉症・排尿障害の記事もご参考くださいね。
第一に表裏では、風邪をひいていないか、
第二に寒熱では冷えの病気なのか、熱の病気なのか、
第三に虚実では虚(=エネルギー不足)なのか実(=エネルギー過多)なのか、
最後に陰陽では陰の病気なのか、陽の病気なのかを考えます。
さて肥満を考える時、風邪のように急速に発症するわけではないので表裏は除外です。
次に寒がるか、暑がるか。
肥満の場合、一概に言えないので、その次にエネルギー不足の虚なのかエネルギー過多の実なのか、考えます。
すると以下の2パターンあります。
虚のパターン
一般的には消費カロリーより摂取カロリーが上回ると太りやすいです。
ですが「水を飲んでも太る」という人がいるように、内臓の消化機能が低下していると食べたものがうまく消化吸収されてお体の栄養として全身をめぐることなくある部分に停滞することがあります。
経絡、という単語を聞いたことがあるかもしれませんね。
お体には縦横に五臓六腑に係わる経絡というのが流れています。
患者さんにどこが太りやすいですか?と質問します。
例えば太ももから太るの、という答えなら太ももの前面を流れているのは胃腸の経絡です。
その場合、胃腸の経絡の停滞が考えられます。
太ももの外側が太るなら胆の経絡です。
太ももの後ろ側からおしりにかけてなら膀胱の経絡が流れています。
どこに停滞が起こるかでどの経絡の問題かがわかりますのでその経絡の流れをよくする鍼治療をします。
経絡については以下の記事もご覧くださいね。
よくある随伴症状:
動くと汗が出る。
疲れやすい。
息切れ。
食欲低下。
しゃべるのもおっくう。
足の浮腫み。
冷え性の人も。
ご自分でできる対策:
胃腸が疲れて働きが弱っていますから脂っこいものや濃い味のものは控えめにしましょうか。
最近オートミールが流行っていますね。
朝食のメニューに加えてみてはいかがですか?
栄養価の高いものをよく噛んで朝からしっかり食べると朝食抜きより胃腸がしっかり動いてくれます。
実のパターン
日ごろから暴飲暴食したり、味の濃いもの、脂っこいもの、飲酒が過ぎるとお体の中で余りものができてきて停滞します。
また、食べ過ぎると胃の中に邪熱という余分な熱が増えるためどんどん消化が進み、食べたばかりなのにもう空腹、ということになります。
これが東洋医学で考える糖尿病の発症メカニズムです。
糖尿病の記事もご参考くださいね。
余りものは病理産物の湿痰(しつたん)と呼ばれ、痰は喉だけでなくお体の節々に溜まって様々な病気や運動制限を引き起こしてしまいます。
よくある随伴症状:
痰が多い。
体が重だるい。
胸がつかえる。
舌の上の苔が分厚い。
ご自分でできる対策:
食べ過ぎ注意ですね。
でもこういうタイプは欲しくなってしまうの。
それなら余分なものが溜まらないように運動して発散してしまいましょう!
すでにかなり太っている方はいきなりランニングや強い運動をすると膝や腰を傷めますから徐々に、ということを覚えていてください。
それから、なぜよくない、とわかっているのに食べ過ぎてしまうのか考えてみましょう。
気逆、という考え方を頭痛の記事で説明しましたのでご参考くださいね。
お体の熱は本来なら全身をくまなく巡って欲しいのに、ストーブの暖気がお部屋の天井に上るのと同様に、熱は上半身に上りがちになります。
その状態を「気の上逆」と呼びます。
気の上逆を抑えるべく、気血の上向きのベクトルを、食べることでふたをするかのように抑えようとしてしまうのです。
ではその熱はどこから来るのでしょう。
はい、一つは食べ物由来。
もう一つ忘れてはいけないのが気持ちが鬱々停滞していると熱化してくる、という東洋医学独特の考え方があります。
つまりストレスをためすぎると、イライラしてやけ食いしてしまう方がいますね。
つい、食べ過ぎてしまうのです。
ですからお好きなことに打ち込むなど、なんとかストレス解消を心がけてくださいね。
西洋医学ではその余分な脂肪がどこにつくかで内蔵型肥満と皮下脂肪型多肥満とに分けるようです。
内臓に脂肪が蓄積されると糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病や心筋梗塞や脳卒中にかかりやすくなります。
そうそう、体重を気にするあまり、食べなさすぎる、というのもお薦めできません。
というのも体の細胞が次にいつ栄養分が入ってくるかわからないので溜め込む傾向が出てくるからです。
それから胃袋はある程度満たされて初めて活発に消化活動をしますが、あまりにも食べる量が少ないとしっかり働いてくれなくなります。
経口補水液とスポーツドリンク
季節柄、皆さんがよく手にするかもしれない経口補水液とスポーツドリンクについてざっくり説明させてください。
最近、日本の夏も熱帯地方並みに気温が上がるようになり、経口補水液という名前の飲み物が売られています。
多くの商品は水に食塩とブドウ糖を溶かしたもので、熱中症の応急処置用と説明されています。
ただし、日常的に飲むと商品によっては塩分摂取量過多の懸念があります。
一方、スポーツドリンクは運動時のエネルギー補給の意味合いで糖質も含まれています。
有名な商品で500ml一本に角砂糖6個分はいっているものもありますから飲みすぎれば血糖値上昇や太る可能性があります。
個々の商品によって含まれるものの量が微妙に異なりますから買う前にぜひ確認してみてくださいね。
痩せる鍼
私の鍼治療では「痩せる鍼」みたいなことはしていません。
お体のバランスを整えて、五臓六腑がしっかり働けるようにさせていただくと、自然とその方にとって適切な体重になってくれるからです。
食べ過ぎてしまう方なら食べ過ぎる原因を取り除き、ぽっちゃりさんならすっきりさんになります。
胃腸の不調ならしっかり消化吸収できるお体にさせていただくのでふっくらしてきます。
こうすることで1㎏増えた減ったで一喜一憂することなく健康なお体を手に入れることができます。
いいね❤鍼。
次回は「痩せ」について記事にしてみましょう。
いかがでしたか?
東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。
お体も頑張りすぎると回復に時間がかかりますから無理なさらないようにね。
このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。
最後までお読みくださりどうもありがとうございました!
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参考:
東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)
燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻