東洋医学で考える月経不順(まだ来な~い編)5つのパターンと自分でできる対策

鍼灸適応症状

こんにちは、Fijiです🐎。

皆さん、いかがお過ごしですか?

コロナ蔓延のため開催が危ぶまれたオリンピックですが、私は多くのアスリートの大活躍に連日ワクワクしました。

前回に引き続き月経不順、今回は稀発月経についてです。

この記事は

  • 稀発月経で困っている。
  • 薬に頼らず、根本治療したい。
  • 東洋医学や鍼灸に興味がある。
  • どんな考え方で治療するの?
  • 自分でできる対策はあるのかな?

とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。

Fiji
Fiji

Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。

日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。

前記事の繰り返しになりますが、月経は女性にとって生理現象であり、病気ではありません

たまに数日程度のずれが生じるのは正常範囲内です。

無月経と違って、稀発月経は全く月経がないわけではないので、と放置する方が多い印象です。

でも、気が付いたら数ヶ月経っていた、という状態が繰り返されるようなら放置すべきではありませんね。

私がどんなふうに稀発月経を東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。

そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。

経行後期(けいこうこうき)

月経周期が39日以上3ヶ月未満の場合、西洋医学では稀発月経と呼びますが、東洋医学では経行後期と言います。

月経がいつ来るか予想がつかないという状態ですね。

ここでは妊娠の可能性は除外します。

原因は以下のようにさまざまありますが、弱っても、冷えても、ストレスでも起こります。

血が足りないパターン

元々胃腸が弱くたくさん食べられない、あるいは食べることはできてもそれが気血になりにくい人に起こりがち。

また、慢性病を長く患っていたりすると気血が不足しがちです。

そして、妊娠・出産は病気ではありませんが、お母さんの血を使ってお母さんのおなかの中で新しい命を育みます。

そのため、複数回の出産経験がある方の中には体調が戻りきらず、血が足りない場合があります。

よくある随伴症状:

経血量が少ない

経血の色が淡い

月経の後半頭痛や頭のふらつきが出現することがある。

抜け毛が多い。

爪が割れやすい

光がまぶしい

腹痛はきつくないこともある。

ご自分でできる対策:

血を補ってくれる食べ物を積極的に食べたいですね。

例えば黒豆、黒ゴマ、黒米、鶏や豚のレバーはいかがですか?

赤い食材、ニンジン、トマト、小豆、ブドウ、クコの実、ブルーベリーなどもいいですね。

忘れられがちなのが「よく寝る」ということです。

十分な睡眠はエネルギーを補ってくれるので気血も潤沢に作ることができます。

エネルギー不足による冷えのパターン

人の体には体温を一定に保つ恒常性という働きがあり、外がどんなに暑くても寒くてもずっと変わらず生活できるようにお体は日々微調整をしてくれています

ところがお体がエネルギー不足になっている方は体を温める温煦(おんく)という働きが弱く、陽虚(ようきょ)という寒がり状態になります。

寒い日を思い出してみてください。

体を硬くして、じっとしていることが増えますね。

するとお体の気血の流れがスムーズでなくなり、婦人科系の臓器にも潤沢に血液が巡らなくなります。

よくある随伴症状:

経血量は少ない

経血の色は暗く稀薄なこともある。

血塊が出ることもあるが小さなものであることが多い。

寒がる

腹部鈍痛があることもある。

押さえると腹部鈍痛がましになることがある。

温めると腹部鈍痛は楽になる。

ご自分でできる対策:

お体が弱って冷える、寒がる、という場合はお体を温める食べ物を積極的に摂りたいですね。

例えば生姜湯、シナモンティー、スパイスではコショウ、山椒、唐辛子、ニラやニンニク、カボチャ、イワシやカツオ、鮭などなど。

ですがここで気を付けていただきたいのは本当に冷えているのか、というところです。

気の巡りの悪い方は四肢末端が冷える、とよくおっしゃいます。

ですが一年を通して冷たいアイスクリームやビールを飲むことができるなら本物の冷えではない可能性があります。

気の停滞は冷えを起こすからです

そういう方がお体を温めすぎると一層症状が悪化する可能性があります。

本当に冷えているなら温めると楽になりますから、今一度確認してみてくださいね。

外部要因による冷えのパターン

先ほどは患者さんがエネルギー不足になり、温める力が足りないことで寒がりになっているパターンでしたが、外部要因による冷えで月経不順を招くこともあります。

例えば極端な寒さ湿地での生活生ものや冷たいものの過食、長時間雨に濡れる、などが起因することがあります。

A swimming woman

友人はスイミングスクールで長年指導をしていたことから極端に体が冷えて月経不順になった時期があります。

A woman shell diver

また、アワビやウニを素潜りで取ってくる海女さん、職業柄十分な対策をしていて、月に一度は必ずお灸で体を温める習慣があるという話も聞いたことがあります。

よくある随伴症状:

経血量は少ない

経血の色は暗紫

血塊が排出されることがある。

下腹部の疼痛

下腹部を押さえると痛みが増す

温めると下腹部疼痛は楽になる。

ご自分でできる対策:

外部要因による冷えなら夏場でも一枚羽織るものを持参したり、スカーフ一枚でもエアコンの風の直撃を避けることもできます。

今年のような酷暑でも職場が寒くて、という方にはハイソックスは有効です。

冷えは足元から入ってくるからです。

今ならアウターに響かない薄い腹巻も腰や下腹部を暖かく保ってくれます。

必要に応じてカイロも使うといいですね。

精神的ストレスによるパターン

どんな症状にも必ずと言っていいほどかかわってくる精神的ストレス。

お体のすべての動きは気血の流れとかかわります。

ですから精神的ストレスが高じて気血がスムーズに流れないと月経不順も起こります。

血もドロドロしてきます。

よくある随伴症状:

経血の色は暗紫から暗紅

下腹部の脹った痛み

胸脇部の脹り

乳脹。

月経が終わると体が軽くすっきりする

月経不順と精神的ストレスが連動する。

ご自分でできる対策:

一番好きなことは何ですか?

一番うれしいことはなんですか?

一番精神的ストレスのもとになっている事柄が避けられないことなら、少し休憩を入れてみて、それから再開するのはいかがですか?

忘れがちなことは無理なダイエットを避けることです。

そのこと自体がストレスとなるだけでなく、栄養も足りなくなる可能性があります。

楽しく食べて、たくさん笑って、ちょこっと運動してみませんか?

お体に湿気や痰の多いパターン

東洋医学ではお体に余分な湿気と熱があると痰が生まれる、と考えます。

きれいな小川を想像してみてください。

水がきれいでごみがないときはさ~っと流れています。

ところが誰かがごみを捨てたり、流木が流れついたりするとあっという間に汚れた川になって、ついにはヘドロのようになってしまいます。

同じことがお体でも起こり、結果、気血が巡らず月経不順を引き起こすこともあります。

よくある随伴症状:

経血の色は淡いが粘り気がある

おりものが多い。

肥満

動きたくない。

痰が多い。

ご自分でできる対策:

日ごろから脂っこいもの、揚げ物、味の濃いもの、過度の飲酒は控え目にするのが一番。

絶対食べてはいけない、ということではなくあくまでも過度にならないように、ということです。

楽しいイベントの時にはたまには羽目を外してたくさん食べても大丈夫、ですがきっちり体を動かして、お体に余分なものが残らないようにしましょうか。

いかがですか?

当てはまるパターンはありましたか?

月経不順には卵巣や子宮に子宮筋腫や子宮内膜症など器質的、あるいは機能的な問題がある場合があります。

月経のみの問題ではなく、甲状腺の病気などお体全体の不調が月経不順として現れているかもしれません。

軽く自己判断せず、月経不順が長引く場合は基礎体温を月経の一周期ほど測って病院受診も検討してくださいね。

排卵の有無の参考になります。

月経でお困りの方は以下の記事もご覧くださいね。

東洋医学で考える月経不順(もうきちゃった~編)5つのパターンと自分でできる対策
月経は女性にとって生理現象で病気ではありません。ですが、近年、痛み止めを服用しなければ日常生活に支障をきたしてしまうほどつらい思いをしている女性が増加の一途です。今回からシリーズで記事にしようと思います。
東洋医学で考える月経不順(全然来な~い編)4つのパターンと自分でできる対策
無月経になる前の日ごろからご自分の月経時に以下のようなポイントを意識しているとおくと何が原因で経閉に至っているのか、見えてくることがあります。
東洋医学で考える月経困難、5つのパターンと自分でできる対策
子宮や卵巣に病変がないのに痛みがある機能的月経困難症や、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、チョコレート嚢胞、子宮腺筋症など器質的月経困難症で日常生活に支障が出るほどの痛みに苦しむ女性が増えていますね。東洋医学の考え方を記事にします。ご参考になればうれしいです。
東洋医学で考える不正性器出血、5つのパターンと自分でできる対策
月経シリーズ、今回は月経ではないのに出血が続く不正性器出血についてです。 様々な原因がありますが、夏の終わりから秋にかけてお体が熱くなりすぎたり、胃腸の疲れが出やすい時期で不正性器出血を起こしやすくなる方があります。

いかがでしたか?

東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。

お体も頑張りすぎると回復に時間がかかりますから無理なさらないようにね。

このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。

最後までお読みくださりどうもありがとうございました!

ブログランキングに参加しています。

この記事がお役に立てればバナーをポチっと押してくださると嬉しいです。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村

参考:

東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)

燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻

タイトルとURLをコピーしました