こんにちは、Fijiです🐎。
九州や中国地方が梅雨明けしましたね。
皆さん、いかがお過ごしですか?
気の早い話かもしれませんが、今回は夏バテについてです。
あらかじめ東洋医学的な夏バテの原因や対策を知ったうえで、日々生活することで、夏の終りに皆さんが夏バテで苦しまずに済むといいな~、という老婆心なの。
この記事は
- 夏バテで困っている。
- 薬に頼らず、根本治療したい。
- 東洋医学や鍼灸に興味がある。
- どんな考え方で治療するの?
- 自分でできる対策はあるのかな?
とお悩みの方に鍼灸受診のきっかけになるようお届けします。
Fiji🐎は東洋医学に基づく鍼灸師歴10年以上です。
日々様々な病の治療や予防に取り組んでいます。
私がどんなふうに夏バテを東洋医学的に捉え、患者さんの治療をさせていただいているか、同じようなお悩みを持つ皆さんのお力になれるよう、患者さんに説明する時のようにお伝えしますね。
そしてこのブログをご覧になった方が東洋医学や鍼灸を身近に感じ、受診してみるきっかけになれば嬉しいです。
気(き)、正気(せいき)と邪気(じゃき)という考え方
東洋医学には気、正気と邪気という考え方があります。
気というのはすべての根本エネルギーだと花粉症の記事でもお伝えしました。
そしてその気には正気と邪気があります。
正気というのは病気にならないようにウィルスなどに対する抵抗力や、病気になっても元通りの健康を取り戻す自然治癒力など、人が健康に過ごすために必要な力です。
邪気には例えば自然界に当然存在する風・寒・暑・湿・燥・火などがあります。
強い風が吹いたり、
気温が低くて寒い日があったり、
湿度が高い梅雨、
からっ風が吹く乾燥の季節、
酷暑の夏は燃えさかる火事のようだ、
といった具合に当たり前のように季節ごとに存在しますが、度が過ぎると邪気となり、人によってはそのことが原因で病気になってしまうのです。
気や邪気については花粉症や風邪の記事もご参考くださいね。
夏バテの症状は
- 疲れやすい、
- 疲れが取れない、
- 体が重だるい、
- 気力がない、
- 食欲不振、
- 眠れない、
などいろいろありますね。
東洋医学では夏バテには暑邪、湿邪、火邪が大きく関与すると考えます。
夏=暑い、つまり陽気が多くなり、水(=陰)が減ります。
発汗過多により汗と一緒に気が漏れ出て、気が不足します。
「気」という言葉になじみがなければ「気力」と言い換えると理解しやすいかもしれませんね。
また、体をみずみずしく保つ水分も不足します。
すると陰血といって血も不足気味となり、動悸や不眠・浅眠、不安などが起こりやすくなります。
逆に冷たいものを飲みすぎて体に湿気がたまりすぎます。
その結果、逆にお体が冷えてきたりします。
アイスクリームの食べ過ぎでおなかをこわす人もいますね。
東洋医学ではざっくり3つのパターンを考えます。
そして夏バテ治療は気を補う、水を補う、湿気をさばくことが中心になります。
気が足りないパターン
暑い日、大量の汗をかきますね。
汗をかくことによって体内の余分な熱が排出されること自体は生理現象で必要なことです。
が、汗が大量に出すぎるとミネラル分が大いに失われてしまい、体を元気に維持するために大切な物質が不足して疲労感を感じます。
よくある随伴症状:
疲労倦怠感。
やる気が出ない。
ご自分でできる対策:
量は多くなくて大丈夫ですからバランスの良い食事をとれるといいですね。
夏野菜や南国のフルーツは熱を冷ましてくれます。
また、暑いとついついそうめんやお蕎麦などあっさりしたもので食事を軽く済ませることが増えますね。
そればかりでは栄養不足になります。
すると気力がうまく生み出されず、やる気が出ない、なんてことになります。
エネルギー不足ですから疲れやすく、集中できません。
例えばそうめんには気を補う作用のある干しシイタケや体を温めるネギ、ショウガ、シソをトッピングしてみませんか?
冷ややっこはからだを冷やしてくれ口当たりもいいのですね。
冷ややっこにもこういったトッピングを足すと胃腸が冷えすぎないようにしてくれます。
ソラマメ、カボチャ、ウナギなども気を補ってくれます。
体の中の水分減少により枯れてきたパターン
たくさんの汗をかくとお体は水分不足になります。
陰陽で考えると陰が虚する、つまり水が足りない状態です。
よくある随伴症状:
口が渇く。
顔面紅潮。
イライラする。
手足のほてり。
不眠や浅眠。
ご自分でできる対策:
外出は可能な限り炎天下を避けましょうか。
ゴーヤ、セロリ、パセリなど苦みのある食べ物、
トマト、ナス、キュウリなど夏野菜、
パイナップルやスイカなど南国のフルーツがお体の余分な熱を取ってくれます。
また苦みは心(しん)の働きを助けてくれる食べ物の味です。
体の中の湿気が多すぎるパターン
暑いからついつい冷たいものを一気飲みしてしまいますね。
冬なら500mlのペットボトルのお水を一日かけて飲む方でも、1回で飲み切ってしまったり、2本も3本も買ってしまいますね。
汗をかくので水分補給は脱水を防ぐために必要ですが、多すぎませんか?
湿気が多すぎると水分過多から冷えに転じます。
よくある随伴症状:
下痢や腹痛。
浮腫み。
ご自分でできる対策:
緑豆や冬瓜、山芋など利尿作用のある食べ物を積極的に取り入れましょうか。
冷たいお水やお茶は飲んだ時はさっぱりしますが、胃腸は疲れます。
ですから常温、あるいは湯冷ましが理想です。
それから夏バテと言えばウナギ。
気を補ってくれるだけでなく、お体の余分な湿気もさばいてくれる食材です。
エアコンについて
最後に忘れてはいけないことにエアコンの影響があります。
東洋医学の発達の歴史の中で現代は特別に暑いです。
そんな中、エアコンの普及により私たちは恩恵を受けていますね。
でも暑いからと言ってエアコンで温度調節された快適な室内から出ずにいると、お体の発汗作用や血管拡張機能が低下します。
すると快適な生活に慣れ親しんだお体は、外出しても酷暑に対応できなくなります。
また、汗をかいた後、エアコンのよく効いた室内に戻ると毛穴がきゅっと締まり、お体に熱がこもったまま発散できなくなります。
帰宅直後の水シャワーも同様に、すっきりするかもしれませんが、実はお体は冷たいお水に驚いて毛穴を閉じてしまいます。
するとそれまでにお体が受けた熱はこもったままとなります。
できるだけエアコンの設定温度は外気との温度差を5度以内にしたいものです。
エアコンの送風口の真下や扇風機の風を直接浴びるのも汗をかいて湿った衣服を着ているお体にはNGです。
夏風邪をひいてしまいます。
昔ながらの風鈴やうち水、南国の風通しの良い衣服、すだれやゴーヤカーテンなど工夫してみませんか?
生活リズムを朝型にするのもいいですね。
朝から暑い、とはいうものの焼けたアスファルトやエアコンの室外機の余熱で暑くなった空気よりフレッシュされるでしょう。
いかがでしたか?
東洋医学ではこんな考え方をもとに、実際にその日そのお体の状態に最適なツボを選んでオーダーメイドの鍼灸治療させていただくんですよ。
お体も頑張りすぎると回復に時間がかかりますから、無理なさらないで楽しい夏になりますように。
このブログでは私の学んだ東洋医学を誠心誠意お伝えしていますが、皆さんのお体の現状を実際に拝見できていないため、上記パターンに当てはまらない場合もあります。
最後までお読みくださりどうもありがとうございました!
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参考:
東洋学術出版社 中医内科学(2009年出版)
燎原書店 症状による注意診断と治療 上巻 下巻